修正地獄から抜け出そう!デザイナーが知っておくべきコミュニケーション術

こんにちは。デザイナーのこげちゃ丸です。

みなさん、デザインワークで一番つらいことはなんですか? アイデアが煮詰まったとき? それとも、納期が重なって冷や汗をかくときでしょうか?

ぼくは、デザイン修正でした。何度も修正が続くと、気が滅入りますよね。でも、今は違います。修正作業はクライアントとのコミュニケーションの仕方で減らすことができるからです。

今回はデザインの修正作業を減らし、クライアントとの関係性を向上させるコミュニケーション術についてお話します。

こげちゃ丸
こげちゃ丸

クライアントワークを中心に活動している、描いたり書いたりしているデザイナー。商品デザインからビジネスコンセプトづくりまで、幅広い領域で悪戦苦闘の毎日です。(Twitter:@Koge0_ozeki

答えの質を決めるのは「問いの質」

今回は、メールのやり取りだけでWebバナーをデザインしていくケースで説明したいと思います。

初稿と初校

初校に対し、「メインコピーをもっと大きくしてください」とクライアントから修正指示がきました。簡潔な指示内容から、先方の忙しい様子が伝わってきます。

「このクライアントは、いつも返信が遅いから取りあえず修正案を出しておこう」と、相手の意図が分からないまま修正作業をしてしまうことはありませんか? それは絶対に避けないといけません。かといって、忙しい相手に「なぜ文字を大きくしたいのですか?」とただ質問しても、有益な情報はもらえないでしょう。

クライアントは「なんとなく」文字を大きくした方がいいと感じながら、その理由を言語化できていません。そこを言語化し、相手に提示できれば、修正作業も少なく済みます。

では、どうすれば相手の真意を引き出せるのでしょう? 単純な質問をするだけでは引き出せません。答えの質を決めるのは問いの質です。ぼくは、質問を選択形式にして、相手が答えやすい工夫をしています。

「メインコピーを大きくしてください」と指示いただきましたが、○○さんの意図に近いものは、以下のいずれかにありますか?

1. 文字を大きくしてバナーを目立たせたい
2. 「糖質0」を強調しヘルシーな美味しさを求める消費者に訴求したい
3. パスタが2種類あり美味しさが選べることを強調したい

このとき、選択肢の方向性を大きく変えておくことがポイントです。

「『まるで生麺』を大きくしますか? それとも『糖質0』を大きくしますか?」などと細かい表現の質問をしてしまうと、自ら修正地獄に足を踏み入れることになります。表面的な質問には、表面的な答えしか返ってきません。

クライアントへの質問は、デザインの方向性を探るためにするものです。相手の真意を引き出すような「質のいい問いかけ」ができると、それだけで修正作業を格段に減らすことができます。

要望に応えたうえでアレンジしよう

前述の質問に対し、クライアントから「2番の『糖質0』を強調する方向で修正してください」と返信をもらったとします。Webバナーは、限られた面積に情報を詰め込むので、一部が変わると全体のバランスを見直さなくてはいけません。

ここで気を付けたいのは、逆提案するタイミングを見逃さないことです。次のデザインサンプルを見てください。

左が要望通りの修正案です。「糖質0」を大きくしたぶん、メインコピーの高さが広くなりましたが、細部を調整して苦労しながらまとめたデザインです。しかし、A案だけを提出すると、クライアントから「写真が狭く見えるのが気になります。最初のデザインの方が良かったですね」と返信が来ました。

ここで「最初のデザインでいきましょう!」と言ってもらえれば丸く収まるのですが、そうはいきません。「何か他にアイデアはないでしょうか?」と再修正の返信が来るものです。修正を繰り返したあげく、「情報量が多いのでやっぱりメインコピーを削りましょうか」と言われてしまったら……。

最初に言ってくださいよ!と思ってしまいますよね。でも、勘のいいデザイナーなら依頼をもらったときに気が付いたはずです。「情報が多くてレイアウトしづらそうだな」、と。でも、初校で勝手に情報を削ることはできません。「テキストは支給のものを使用すること」と指定されているからです。

だから、最初の修正依頼が来たときが最大のチャンスです。ここでいわれた通りの修正をするだけでなく、自分のアイデアを盛り込んだデザインを逆提案するんです。そして、自分の狙いをきちんと言語化し、相手に伝えることが重要です。「B案の方がいいデザインだと思いますがいかがでしょうか?」などと表層的なコメントをしてはいけません。たとえば、こんなコメントと共に別案を提案するのはどうでしょう。

「A案は初校の修正案です。別のアプローチで『糖質0』を強調したのがB案です。『美味しくダイエット』がバナーの中で他のコピーと重複表現に感じたので、『まるで生麺!』と入れ替えました。その上で『糖質0』を大きくすれば、美味しく食べながらダイエットしたいというターゲット層に響くバナーになると思います」

デザイナーから自分の意図を汲んだ新しいアイデアが提案されたら、クライアントも嬉しいですよね。クライアントも修正を繰り返すのは不本意なはずなんです。なるべく短い期間でいいデザインにしたい思いは、デザイナーと一緒です。

逆提案に隠された意味とは?

新しいアイデアを提案し、クライアントにも喜ばれて採用されたら一番ハッピーですが、たとえ不採用になっても意味があります。それは、クライアントが最初に自分が依頼した内容に自信が持てるからです。「B案を見て、やはり『美味しくダイエット』の文字は削れないと思いました」と返信が来たら、それでもいいのです。

逆提案したからこそ、A案にデザインが絞られたことになりますよね。人は比較対象がないと決めづらいものです。最初に出したデザイン案で決めてもらうために、修正時に新しいアイデアを提案することも手段のひとつだと思います。

ただし、わざと見劣りするデザインを提案してはいけません。この連載で何度もいっていますが、デザイナーが捨て案を提案することは、決してやってはいけないこと。常に、「どのデザインが採用されてもいい」という気持ちでデザインするべきです。修正を通してクライアントとより良いデザインを作っていく、そういう心待ちでいることが大事だと思います。

修正は楽しんだ者勝ちです

修正中に全く別の案を思いつくことはありませんか? クライアントの要望とはかけ離れているけど、この方が絶対良くなるのに……というアイデアです。そんなとき、ぼくはデザインを完成させてしまいます。もちろん修正対応はきちんとしたうえで、です。本来の仕事とは別に、まったく新しいデザインを作ってしまうのです。

上のWebバナーは、クライアントの要望とはまるで違うデザインですよね。まったく新しい企画のバナーになっています。これを校了(デザインのOKが出た状態のこと)したあとにクライアントに見せるのです。

「実はこんなアイデアも思いついたので、ご参考までにお送りします。新しい企画が始まったらぜひお声がけください」と次の仕事に繋げるための営業ツールにしてしまうのです。

自分が勝手に作ったものなので、追加費用はもらえません。でも、「本当はこうしたいのに」とフラストレーションを溜めるくらいなら、完成させて相手に見てもらった方がいいと思います。しかも、それが次の仕事に繋がるなら、言うことありませんよね。

もしかしたら、「勝手なことはしないでください」と不満を言うクライアントもいるかもしれません。余計なことをしてクライアントを怒らせたら仕事がこなくなる、言われたことだけをやればいい、と考える方もいるでしょう。でも、そのような関係性は長続きしないと思います。

要望の範囲外の提案をすることに、最初は抵抗があるかもしれません。でも、いいものを作りたいと思っているクライアントなら、必ず喜んでくれます。タイミングをはかり、ほんの少しの勇気を出して。相手の想像を超えるアイデアを提案してみてください。きっと、信頼関係を築くきっかけになるはずです。

相手の真意を引き出す問の力を身につけることは、修正地獄から抜け出す大事なスキルです。でも、それ以上に大切なのは、信頼関係を築くこと。これは、デザイナーに限らず「よい仕事をする」ためには欠かせない条件なのです。

(執筆&イラスト:こげちゃ丸 編集:少年B)

※Workship MAGAZINEでは日々情報の更新に努めておりますが、掲載内容は最新のものと異なる可能性があります。当該情報について、その有用性、適合性、完全性、正確性、安全性、合法性、最新性等について、いかなる保証もするものではありません。修正の必要に気づかれた場合は、サイト下の問い合わせ窓口よりお知らせください。

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