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アメリカ産業を牽引する自動車メーカーのフォード(Ford)。世界初の量産車『Model T(T型フォード)』をはじめ、100年以上にわたって自動車を製造してきました。
そんなフォードの現在のロゴは、青地の楕円を背景に、白文字で企業名が書かれたシンプルなもの。しかしシンプルさの裏には、フォードによる形状&デザインの規格化の工夫がありました。
今回の記事では、フォードのロゴの変遷を会社の歴史とともに紹介していきます。
1903年、フォードは「自動車王」として知られるヘンリー・フォード氏によって設立されました。
彼は過去に二度、自動車会社の起業に失敗しており、三度目の正直としてフォード社の経営に着手しました。そして1908年に製造を開始した『Model T』が大ヒットしたのです。
フォードは部品を規格化して互換性をもたせ、工場にベルトコンベア式のラインを導入しました。結果、庶民が手の届く価格で販売できるように。
高価な工芸品だった自動車は、大衆の乗り物へと変化したのです。
1920年には全米を走る自動車の約半数が『Model T』だったとされ、1927年の製造終了までに1500万台を超える生産台数を記録しました。
しかし、『Model T』に代わる看板車種の開発に苦戦し、世界恐慌の直撃で業績は低迷。そこで、フォードは画一的な大衆車だけでなく、より高性能な自動車まで幅広く製造するようになりました。
以後、アメリカを代表する総合自動車メーカーとして、『マスタング』や『フォーカス』といったヒット車種を生み出し続けています。
創業当時のフォードのロゴは複雑なデザインでした。シンプルな現在のロゴとは異なり、文字数や装飾も多めです。
初代チーフエンジニア兼デザイナーのチャイルド・ハロルド・ウィリス氏によって、企業名のみが書かれたシンプルなデザインに変更されました。
デザインの由来は、ウィリスが自身の名刺に書いた文字。以後、ロゴの字体はほぼ変化していません。
『Model T』の製造が終了したこの年に、現在のロゴと近いデザインが登場します。フォードのロゴの特徴である「青色」と「楕円」が採用され、2つの要素を合わせた名前「ブルーオーバル」は会社の愛称に。
「ブルーオーバル」のデザインは100年近い歴史を誇り、BMWやアルファロメオのロゴと並んで現代でも戦前のデザインが日常に溶け込む数少ない例です。
1976年、フォードはロゴを立体的なデザインへと変更しました。
この当時、フォードだけでなくアメリカの自動車業界全体が、日本製の安価な輸入車両に押されて売上を落としていました。
「会社の根本は変えず、デザインを近代的なものに変える」プロセスは、フォードの置かれた状況を打開する決意の表れだったのかもしれません。
1990年代に売上改善を遂げたものの、他社の買収費用や世界同時多発テロの影響によって経営不振に陥っていた2003年。創業100周年を迎えたフォードはロゴを刷新し、「センテニアル・ブルーオーバル」と呼ばれるデザインを採用しました。
1976年に加えられた立体感を抑え、1927年のものに近いデザインに。「創業100周年を機に、初心を取り戻そう」という決意が感じられます。
2020年現在もこのロゴが採用されており、フォードは自動車需要の変化によるダウンサイジングや、日本市場からの撤退といった「選択と集中」を重ね、生き残りを図っています。
『Model T』の製造を「規格化」することで成功したフォード。この「規格化」という理念は、歴代のロゴにも反映されています。
フォードのロゴを象徴する「楕円」の幅と高さの比率は8:3、コーポレートカラーの「青」はパントーン294C(フィンランドの国旗の青と同色)と規格化され、90年以上もデザインを守ってきました。
現代の美的感覚でも古臭さを感じないデザイン。こうしたデザインの規格化と普遍性により、フォードのロゴは昔から変わらず世界中で愛され続けているのです。
世界でも屈指の歴史を誇るフォードのロゴ。規格化された普遍的なデザインはメーカーの理念を体現し、採用から100年近く経っても輝きを放ち続けています。
企業ロゴを作成する際には、自社の理念と合致するようにデザインを工夫するのも大切ですね。
(執筆:齊藤颯人 編集: イズミカズキ)
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