未経験からフリーランスになるには？必要な準備・手続き・仕事の探し方を解説！

「フリーランスになりたいけど、何から始めればいいの？」
「未経験・スキルなしでもやっていけるの？」

こんな不安を感じている方もいるのではないでしょうか。会社員として働きながら、自由な働き方や収入の可能性に魅力を感じる一方で、実際の一歩を踏み出すのは勇気がいりますよね。

この記事では、実際にフリーランスとして活動している筆者が、フリーランスになるための具体的なステップや必要な準備、成功するためのポイントを分かりやすく解説します。未経験からでも取り組みやすいように、手続きについてもかなり詳しく説明しているので、これからフリーランスを目指す方にきっと役立つはずです。

しっかりと準備を整えてから独立することで、フリーランスとしての新たな一歩を自信を持って踏み出しましょう！

フリーランスになるには？まずは基本を理解しよう

フリーランスとして働くことに興味はあるものの、実際にどのような働き方なのか、会社員とは何が違うのか気になりますよね。まずはフリーランスの基本をしっかり理解しましょう。ここでは、フリーランスの定義や特徴について解説します。

フリーランスの定義と会社員との違い

フリーランスとは、企業や組織に所属せず、個人で仕事を受注して報酬を得る働き方を指します。

契約は案件ごとにクライアントと結び、報酬もプロジェクト単位や時間単位で支払われることが一般的です。自由な働き方や時間の調整が可能で、自分の得意分野を活かして複数の仕事を同時進行できるメリットがあります。一方、収入が不安定で、営業活動や契約管理、税務処理など自己管理が求められる点も特徴です。

これに対して会社員は、企業に雇用されて給与を受け取ります。勤務時間や仕事内容は企業の規則に従うことが多く、安定した収入や福利厚生、社会保険の提供など、生活の安定が魅力ですが、仕事の内容や働く場所、時間の自由度はフリーランスに比べて制約が多いです。

このように、フリーランスと会社員は、自由度や安定性、自己責任の度合いで大きく異なります。これからフリーランスを目指そうとしている方は、まず会社員との違いやメリット・デメリットを理解し、自分に合った働き方かどうかを見極めましょう。

フリーランスのメリット・デメリット

フリーランスには、自由な働き方ができるという大きなメリットがあります。自分の好きな時間や場所で働けるため、ワークライフバランスを取りやすく、家族や趣味の時間も確保しやすいでしょう。また、成果次第で収入を大きく伸ばせる可能性があり、仕事の選択肢も広がります。

一方で、収入が不安定になりやすく、案件が途切れると収入ゼロになるリスクがあるのはデメリットです。また、税金の手続きや社会保険の管理など、自己責任で行わなければならない業務も増えます。営業活動や人脈づくりも欠かせないため、実務以外の業務に時間を割く必要があります。

フリーランスとして成功するには、メリットを最大限に活かしつつ、デメリットに対する対策もしっかりと考えることが重要です。

フリーランスに向いている人・向いていない人

フリーランスとして働くことには多くの魅力がありますが、実は誰にでも向いているわけではありません。自由度が高い一方で、自己管理能力やリスクへの対応力が求められるため、向き不向きが分かれるのです。

次の表は、フリーランスに向いている人と向いていない人の特徴をまとめたものです。自分がどちらに当てはまるかチェックしてみましょう。

フリーランスとして成功するためには、向いている特徴を持っていることが大きな強みになります。一方で、向いていない特徴があっても、対策や準備をすることで乗り越えられる場合もあります。

フリーランスになるための具体的な5ステップ

未経験からフリーランスを目指す場合、何をどの順番で進めれば良いのか分からず、不安を感じることも多いでしょう。ここでは、フリーランスになるための具体的な5つのステップをご紹介します。

STEP1：副業として小さく始める

フリーランスを目指す場合、いきなり会社を辞めるのはリスクが高いため、まずは副業として小さく始めるのが安心です。副業からスタートすることで、収入が安定しない期間にも生活費を確保でき、精神的な負担を軽減できます。また、フリーランスとしての仕事の進め方や自分に合った働き方を見つける機会にもなります。

副業で得た実績や経験は、独立後の大きな武器になります。まずは週末や平日の隙間時間を活用して、小さな案件や単発の仕事から取り組んでみましょう。

STEP2：スキルや経験を積む

フリーランスとして仕事を受注するためには、自分の強みとなるスキルや経験を積んでおくことが重要です。特に未経験やスキル不足を感じている場合には、独学やオンライン講座、資格取得を通じて知識を深めたり、小さな案件から実務経験を積んだりすると良いでしょう。

実践的な経験を積むことで、クライアントに対して自信を持って「これができます！」とアピールできるようになります。実務経験が浅いうちは、友人や知人のプロジェクトを手伝ったり、ボランティアやモニター案件を活用したりするのも良い方法です。

STEP3：ポートフォリオや実績を作る

フリーランスとして案件を獲得するには、クライアントに自分のスキルや実力を分かりやすく伝えることが欠かせません。そのために必要となるのが、ポートフォリオや実績をまとめた資料です。

ポートフォリオとは、自分が手掛けた作品やプロジェクトの具体例を示すもので、特にクリエイティブ職やエンジニア、デザイナーにとっては重要な営業ツールとなります。仕事の成果物だけでなく、取り組んだプロセスや工夫した点、問題解決のアプローチなども記載すると、クライアントに好印象を与えられます。

実績がまだ少ない場合でも、個人制作のプロジェクトや学習用に作成したサンプル作品を掲載することで、自分のスキルをアピールできます。見やすく、魅力的なポートフォリオを用意して、案件獲得のチャンスを広げましょう。

STEP4：仕事を獲得する方法を知る

フリーランスとして安定した収入を得るためには、仕事を獲得する方法を知り、積極的に活用することが大切です。主な仕事の獲得方法には、フリーランスマッチングサイトやクラウドソーシング、SNS・ブログ、フリーランスエージェントなどがあります。

具体的な仕事の獲得方法については、「フリーランスの仕事の探し方と案件獲得のコツ」の項で詳しくご紹介します。それぞれの方法に強みや特徴があるので、自分の状況や得意分野に合わせて、複数のチャネルを活用していくことが大切です。

STEP5：開業届・確定申告の準備をする

フリーランスとして本格的に活動する場合、税務や社会保険の手続きが欠かせません。特に、開業時に税務署へ提出する「開業届」と、1年間の所得を申告する「確定申告」は、税制上のメリットを得る上で重要です。事前に必要な知識を学び、時期が来たら速やかに対応できるよう準備を進めましょう。

また税金以外にも、社会保険や年金の手続きが必要です。会社員時代は厚生年金や社会保険に加入していましたが、フリーランスになると国民健康保険や国民年金に切り替える必要があります。病気やケガで働けない場合の傷病手当金や老後の年金受給額に影響が出るため、保険や年金の見直しも怠らないようにしましょう。

フリーランスになる前にやっておくべき準備

フリーランスとして独立する前にしっかりと準備をしておくことは、成功への近道です。ここでは、フリーランスになる前にやっておくべき準備について具体的に解説します。

生活費の確保と資金計画

フリーランスとして独立すると、会社員時代のような安定した給与収入がなくなります。そのため、まずは生活費を確保し、資金計画を立てておくことが大切です。収入が安定しないリスクに備えて、数ヶ月分の生活費を貯金しておけると安心ですね。

それぞれの費用の目安をまとめてみましょう。

固定費に関してはできるだけ削減し、特に家賃は収入の30%以下に抑えるのが理想です。変動費は無理のない範囲で娯楽や交際費を設定し、メンタル面の健康も考慮しましょう。フリーランス特有の費用（税金や保険料）は、収入の20～30%を手元に残しておけると安心です。

スキルアップと仕事の練習

フリーランスとして成功するためには、スキルアップと仕事の練習も重要です。特に未経験からスタートする場合や実績が少ない場合は、実務に近い形で経験を積んでおくことが、仕事の受注のしやすさにつながります。

具体的なスキルアップや仕事の練習方法としては、副業を活用してスキルを磨いたり、ポートフォリオや実績を作ったりといったことが挙げられます。また、仮想案件や練習用プロジェクトに取り組むのも効果的です。実際のクライアントがいなくても、自分でテーマを設定してWebサイトを制作したりサンプル記事を書いたりすることで、着実にスキルアップできるでしょう。

フリーランスになるための必要な手続き

フリーランスになると、会社員時代は企業が行っていた手続きをすべて自己責任で行わなければならないため、必要な手続きの流れをしっかり理解しておくことが大切です。ここでは、フリーランスになるために必要な手続きを解説します。

開業届を提出する

開業届とは、個人が新たに事業を始める際、税務署に提出する書類です。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、フリーランスとして活動を開始する際には、原則として開業から1ヶ月以内に提出することが求められています。未提出でも罰則はありませんが、メリットを逃してしまうのでもったいないです！

開業届を提出するメリットを見てみましょう。

• 開業届と同時に「青色申告承認申請書」を提出することで、青色申告が可能になる
• 屋号を持てる（銀行口座を屋号名義で開設できる、ブランディングにも効果的）
• 小規模企業共済や助成金の利用が可能
• 事業実績の証明になる

私自身、フリーランスになった当初は開業届についてよく調べておらず、開業から半年ほど経ってから提出しました。しかし、その影響でその年は青色申告ができず、節税メリットを受けられなかったんです。初年度はほとんど稼げなかったので大きな影響はなかったものの、「もったいないことをしたな･･･」「ちゃんと調べておくべきだったな･･･」と感じました。

小さなことに思えるかもしれませんが、開業届を出しておけば、税制上のメリットを活用できたり、ビジネス上の信頼感を高めたりと良いことが多いです。ぜひ早めに手続きをしておきましょう。

なお、開業届の提出方法は次のとおり。

1. 国税庁の公式サイトから「個人事業の開業・廃業等届出書」をダウンロード（最寄りの税務署でも入手可能）
2. 必要事項を記入する
3. 管轄の税務署に郵送または窓口で提出

簡単ですね。開業届はフリーランスとしての第一歩となる重要な手続きです。一度提出すれば以降の手続きは不要なので、正しく届け出を行い、税制上のメリットを最大限に活用しましょう。

青色申告と白色申告の違いを知る

フリーランスとして確定申告を行う際、青色申告と白色申告の2つの方法があります。それぞれに特徴があり、特に青色申告には節税メリットが多くあります。次の表で違いを比較してみましょう。

青色申告は手間がかかるものの、控除や節税効果を考えると、実務経験が積める副業の段階からでも挑戦するメリットがあります。

実際、私はfreeeという会計ソフトを使って青色申告を行っていますが、税務の知識がなくても複式簿記のような複雑な書類を簡単に作成できるので、とても助かっています。日々の取引を入力するだけで自動的に帳簿や決算書が整うので、申告時の負担が大幅に軽減できますよ。

会計ソフトは有料ですが、その費用は経費として計上可能です。節税対策としても効果的なので、初期投資として検討してみる価値は大いにあります！

社会保険と税金の変更手続きをする

フリーランスとして独立すると、会社員時代とは異なり、社会保険や税金の手続きをすべて自分で行う必要があります。特に健康保険や年金、税金の納付方法は大きく変わるため、事前に理解しておくことが大切です。

フリーランスの健康保険や年金には、次のような選択肢があります。

また、フリーランスになると、税金の納付方法も変わります。それぞれの納税方法についても見ておきましょう。

社会保険や税金の手続きは初めてだと難しく感じるかもしれませんが、早めに準備を進めておくことで、独立後も安心して仕事に集中できます。会計ソフトや税理士のサポートを活用すれば、手続きの負担を軽減できますので、ぜひ検討してみてください。

フリーランスの仕事の探し方と案件獲得のコツ

フリーランスとして安定して仕事を得るためには、効果的な仕事の探し方や案件獲得のコツを知っておくことが重要です。ここでは、具体的な仕事の探し方と、実際に案件を獲得するための実践的なコツを詳しく解説します。

マッチングサイトやクラウドソーシングを活用する

マッチングサイトは、フリーランスと企業をつなぐプラットフォームです。案件の質が高く、契約や報酬面が明確なので、初めてフリーランスとして仕事を始める方でも安定して仕事を受注できます。

またクラウドソーシングは、インターネット上で企業や個人が仕事を依頼・受注できるプラットフォームです。初心者でも取り組みやすい案件が多く、副業や隙間時間を活用して働きたい方も気軽に利用できます。

Workshipは、エンジニア・デザイナー・マーケター向けの案件が豊富に掲載されているフリーランスマッチングサイトです。週3日からOKの柔軟な案件も多数あり、企業との直接契約も可能。フリーランスの働きやすさに配慮されているので、初心者から経験者まで幅広い方におすすめです。

マッチングサイトやクラウドソーシングで案件を獲得するコツとしては、次のようなことが挙げられます。

• スキルや実績、得意分野などでプロフィールを充実させる
• 実績作りのために小さな案件から始める
• 案件ごとにカスタマイズした提案文を作成する
• 企業からの問い合わせには早めに返信する
• コミュニケーション力をアピールする

マッチングサイトやクラウドソーシングを利用することで、初心者から経験者まで幅広いフリーランスに対応した案件を見つけられます。ぜひ積極的に活用して、理想の仕事を見つけましょう。

SNS・ブログを活用する

SNSやブログを活用することも、フリーランスが仕事を獲得する有力な方法です。特に、X（旧Twitter）やInstagram、個人のブログは手軽に情報発信ができ、クライアントや企業から直接声がかかることもあります。実績を公開したり専門知識をシェアしたりすることで、自分のスキルや人柄をアピールする場としても役立つでしょう。

SNS・ブログで案件を獲得するコツは、次のとおりです。

• 定期的に投稿する
• 実績や事例を具体的に発信する
• ハッシュタグやSEOを意識する
• フォロワーや読者と積極的に交流する
• プロフィールを充実させる
• 詐欺案件に注意する

SNSやブログは、特別なコストをかけずに自分をブランディングし、案件を獲得できる可能性があるツールです。フリーランスにとっては名刺代わりにもなる存在なので、積極的に活用していきましょう。

フリーランスエージェントを活用する

フリーランスエージェントとは、企業とフリーランスを仲介し、仕事の紹介や契約手続き、報酬の交渉などをサポートしてくれるサービスです。企業とフリーランスのマッチングを行うだけでなく、面談対策や条件交渉のサポートもしてくれるため、初めてフリーランスとして活動する方でも安心して利用できます。

フリーランスエージェントを活用するコツもまとめてみましょう。

• 複数のエージェントに登録する
• 希望条件を明確に伝える
• スキルシートを充実させる
• 案件紹介を受けたら迅速に対応する
• エージェント担当者と良好な関係を築く

フリーランスエージェントを利用する際の注意点として、仲介手数料（10～20%程度）が発生する場合があります。また、エージェントから紹介される案件でも、自分のスキルや働き方に合わないこともあります。条件に合わない場合は断る勇気を持ちましょう。

フリーランスとして成功するために意識すべきこと

フリーランスとして仕事を始めると、自由な働き方や収入の可能性が広がる一方で、会社員時代とは異なる自己管理力やビジネスマインドが求められます。ここでは、フリーランスとして長く活躍し続けるために意識すべきことを詳しく解説します。

収入が安定しないリスクと対策

フリーランスとして活動する際、最も大きな不安の一つが収入が安定しないリスクです。案件が途切れたりクライアントからの支払いが遅れたりすると、生活費や事業運営資金に影響を受けやすくなってしまいます。そのため、収入が不安定になったときでも安心して過ごせるような対策を講じておきましょう。

収入が安定しないリスクとして、次のようなケースが考えられます。

• 案件が途切れる
• クライアントの事情でキャンセル・延期になる
• 支払いサイト（入金タイミング）が遅い
• 体調不良などで仕事ができない

このようなリスクに備えるには、生活費の数カ月分を貯金しておくことが有効です。また、副業や小さな案件、オンライン講座やデジタルコンテンツ販売などのサブスクリプションを活用し、収入を分散させるという方法もあります。報酬の支払いサイト（入金タイミング）が短い案件を選んだり、病気やケガに備えて所得補償保険に加入することも有効な対策です。

自己管理を徹底する

フリーランスは仕事の進め方やスケジュールをすべて自分で管理する必要があるため、納期やスケジュールの管理能力はもちろん、モチベーションを維持する力も重要です。

スケジュール管理では、カレンダーアプリやタスク管理ツールを活用し、締め切りや予定を一元管理しましょう。大きなプロジェクトは作業を小さなタスクに分割することで、進捗を把握しやすくなります。

モチベーションを維持するためには、1ヶ月、3ヶ月、半年といった短期・中期・長期の目標を立て、達成すべき内容を明確にしておくことが大切です。小さな目標をクリアするたびに達成感を味わえるので、自然と次のステップに進む意欲が湧いてきます。

フリーランスになりたてのうちは、特に「無理をしすぎないこと」を意識しましょう。自分に合った管理方法やツールを見つけ、楽しく続けられる仕組みを取り入れることが、長く続けるための大切なポイントです。

人脈を作る

フリーランスの仕事は、信頼関係やつながりから生まれることも多く、信頼できる人脈が大きな強みになります。

人脈を広げるには、コミュニティや勉強会に参加する、オンラインサロンを活用するといった方法があります。さまざまな機会に積極的に足を運び、同じ分野の人たちと交流することを心がけましょう。特に技術系やクリエイティブ系のコミュニティでは、最新のトレンドやノウハウを学べるチャンスも得られます。

人脈を作ることで、仕事の幅が広がるだけでなく、孤独感を軽減する効果も期待できます。フリーランスにとって、相談できる仲間や頼れる人がいることは、長く続けるための大きな支えになるものです。積極的にコミュニティやサロンを活用し、自分の世界を広げていきましょう。

フリーランスになるには準備と計画が重要！

フリーランスとして成功するためには、スキルの習得や実績作り、そしてしっかりとした準備と計画が欠かせません。まずは副業から小さく始め、無理のないペースでスキルを磨きつつ、実績を積み上げていきましょう。

仕事の探し方を学び、Workshipのようなマッチングサイトやクラウドソーシング、SNSなどを積極的に活用することで、案件獲得のチャンスを大きく広げられます。プロフィールを充実させたり実績を見せる工夫をしたりすることで、クライアントからの信頼を得やすくなりますよ。

フリーランスは、自由な働き方や自分らしいキャリアを実現できる魅力的な選択肢です。最初は不安や挑戦が多いかもしれませんが、一歩一歩積み重ねることで必ず道は開けます。計画的に準備を進め、スキルや人脈をコツコツと築いていけば、きっとあなたの理想とする働き方を実現できるでしょう。

（執筆：水無瀬あずさ　編集：猫宮しろ）