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フリーランス/個人事業主が納める税金の種類は? いつ払うかや節税対策も解説!【FP監修】

フリーランス・個人事業主は税金いつ払う?
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フリーランスは、確定申告の申請から納税まで自分で行わなければなりません。しかし、税金に関しては「いつ」「どこで」「いくら」払えばよいかが分らなくて不安……という方も多いはず。

実際に、フリーランスになった1年目に税金対策や確定申告の準備をまったくしていなかったために、思わぬ費用がかかってしまったというケースも少なくありません。

そこで今回は、フリーランスが支払う税金の種類や納付期限、確定申告の準備の仕方などを解説します。

監修:齊藤颯人
監修:齊藤颯人

FP事務所『トージンFP事務所』代表、ファイナンシャル・プランナー(AFP)。Workship MAGAZINEのマネー担当として、フリーランスや副業にまつわる記事の執筆・監修を行う。自身もフリーランス経験豊富で、当事者ならではの情報発信に強み。

フリーランス・個人事業主が支払う税金の種類

フリーランスの場合、会社員とは異なり支払う税金の種類が多いです。以下では、それぞれの税金の概要・算出方法などをまとめていきます。

所得税

所得税は個人の所得に応じて課税され、所得が48万円以上ある場合に支払う義務が発生する税金です。

※所得:収入から必要経費と控除額を差し引いたお金のこと(収入-必要経費-控除=所得)

所得税は会社員もフリーランスも払う税金で、所得が増えると税率が上がる「超過累進税率」という仕組みを取り入れています。税率は以下の通りなので、どのような区分になっているか確認しておきましょう。

所得税 課税額一覧

▲参考:国税庁

上の表をもとに、所得に税率をかけ、控除額を引くことで納付額が確定します。計算式は「所得金額×税率-控除額」となります。

では、以下の属性のフリーランスAさんを例に解説します。

  • 職業:ITエンジニア
  • 開業:2021年12月
  • 収入:500万円(消費税50万円を含む)
  • 経費:100万円(消費税10万円を含む)
  • 所得控除:100万円
  • インボイス制度により、課税事業者に転換予定
    (計算をわかりやすくするため、税額控除や調整控除などは考慮していません)

所得税の求め方をわかりやすくまとめると、以下の通りになります。

1. 課税所得金額を求める
→500万円-100万円-100万円=300万円

2. 所得税を算出する
→300万円×10%-97,500円=202,500円

Aさんの納税額は、202,500円です。

そして上記の式からもわかるように、納税額を抑えるためには「収入を減らす」「経費を増やす」「控除を増やす」の3つの選択肢が考えられます。収入を減らすのは本末転倒なので、節税対策は「経費を増やす」「控除を増やす」という方向で考える必要があります。

ちなみに、ほぼフリーランスといえども「ひとり社長」として法人化している場合、税金の種類が「法人税」に変わります。法人税の場合、税率は15~23.2%のため、目安としてフリーランスの課税所得が500万円くらいになってくると、法人化して法人税を納めたほうが税額が安くなるケースが出てきます。

住民税

住民税は、フリーランスや会社員である以前に、日本に住んでいる人はほぼ全員が支払うべき税金とされています。所得税は「国(国税庁)」に納めるものなのに対し、住民税は「地方自治体(都道府県、市区町村)」に納める点が大きな違いで、住民税率などは基本的に地方自治体が決定しています。

とはいえ、住民税率や算出方法はおおむね共通しており、原則は「標準税率」と呼ばれる以下の税率となります。

標準住民税率

▲出典:財務省

上記でもわかる通り、住民税にはフリーランスに一律で課される「均等割」と、所得に応じて課される「所得割」があり、税額が大きく変化するのは、「所得割」になります。

では、ふたたびフリーランスAさんを例に住民税額を算出してみましょう。ただし、住民税は同じ控除科目でも所得税に比べて控除額が少なくなる(例:基礎控除は所得税48万円、住民税43万円)ため、控除額を少し減らして「95万円」と仮定し、調整控除などの細かい控除は考慮しません。

1. 課税所得金額を求める
→500万円-100万円-95万円=305万円

2. 所得割額を算出する
→305万円×10%=305,000円

3. 均等割額と所得割額を足す
→305,000円+5000円=310,000円

Aさんの納税額は、310,000円です。

今回のケースでは、所得税よりも住民税のほうが大きな負担となりました。所得税と住民税の違いには「所得によって税率が変わるかどうか」もあり、基本的に所得が多い人は「所得税>住民税」所得が少ない人は「住民税>所得税」となるケースが多いです。

消費税

消費税という名前はよく聞くものだと思いますが、意外と詳しいシステムは知られていないのが現状です。

フリーランスの場合、消費税を納める義務が発生するのは、原則として「2年前の売上が1000万円を超えている場合」です。ここでいう「納める消費税」は、私たちが買い物するときのように「売り上げに一律10%かかる」わけではなく、「もらった消費税-払った消費税」の式で算出された金額を納めることになります。

とはいえ、細かいことを考えなくても、今回例に挙げているAさんくらいの収入であれば、2年前の売上が1000万円を超えているケースは少ないでしょう。今まで、フリーランスは消費税のことをあまり考える必要はありませんでした。

……しかし、2023年10月に施行される「インボイス制度」によってフリーランスと消費税の関係は大きく変わります。細かい解説はしませんが、インボイス制度によって売上1000万円に届かないようなフリーランスでも「課税事業者」になるケースが大半を占めると思われます。

ここでいう「課税事業者」とは、早い話が消費税を納める必要が出てくることを意味しています。では、消費税を50万円受け取り、消費税を10万円払ったAさんが課税事業者になった場合、消費税をいくら納める必要が出てくるのでしょうか。計算式は以下の通りです。

50万円-10万円=40万円

いままでは1円も払わなくてよかった消費税が、課税事業者になるだけで40万円も必要になってしまいます。フリーランスへの影響の大きさがわかるでしょう。

ただし、フリーランスがいちいち消費税を集計するのは大変なため、小規模フリーランスであれば受け取った消費税から一律で支払った消費税を差し引ける「簡易課税」制度や、インボイス制度施行後の「激変緩和措置」なども用意されています。これらを活用すれば、多少は消費税負担を抑えられます。

個人事業税

個人事業税とは、フリーランスや個人事業主にかかる税金の一種で、事業所得が年間290万円を超えた場合に納付する必要があります。

個人事業税の税率は、業種により3〜5%の間で変動します。

また個人事業税の特徴として、納めた税金を経費にできる点が挙げられます。所得税や住民税が経費とならないのに対し、個人事業税は経費となるため、納税することで一定の節税効果が期待できます。

個人事業税がかかる業種とかからない業種については、以下の表でご確認ください

【個人事業税がかかる業種】

区分 税率 業種
第1種事業
(37業種)
5% 物品販売業・運送取扱業・料理店業・遊覧所業・保険業・船舶定係場業・飲食店業・商品取引業・金銭貸付業・倉庫業・周旋業・不動産売買業・物品貸付業・駐車場業・代理業・広告業・不動産貸付業・請負業・仲立業・興信所業・製造業・印刷業・問屋業・案内業・電気供給業・出版業・両替業・冠婚葬祭業・土石採取業・写真業・公衆浴場業(むし風呂等)・電気通信事業・席貸業・演劇興行業・運送業・旅館業・遊技場業
第2種事業
(3業種)
4% 畜産業・水産業・新炭製造業
第3種事業
(30業種)
5% 医業・公証人業・設計監督者業・公衆浴場業(銭湯)・歯科医業・弁理士業・不動産鑑定業・歯科衛生士業・薬剤師業・税理士業・デザイン業・歯科技工士業・獣医業・公認会計士業・諸芸師匠業・測量士業・弁護士業・計理士業・理容業・土地家屋調査士業・司法書士業・社会保険労務士業・美容業・海事代理士業・行政書士業・コンサルタント業・クリーニング業・印刷製版業
3% あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復・その他医業に類する事業・装蹄師業

【個人事業税がかからない業種】

個人事業税が
かからない業種
文筆業(ライターなど)・エンジニア・翻訳業・漫画家・画家・音楽家・スポーツ選手・芸能人・保険営業等の外交員・林業・農業

表で見るとかなり難しいうえ、フリーランスに多いところでいうと「ライターやエンジニア」には個人事業税がかからず、「Webデザイナーやコンサルタント」には個人事業税がかかるなど、線引きもかなりシビアです。Aさんはエンジニアなので、個人事業税はかかりません。

また、個人事業税がかからない業種でも、契約方法や申告する業種によっては個人事業税がかかるケースがあります。個人事業税の対象となるかどうかの判断が難しいときは、税理士や都道府県の税務課などに確認しましょう。

固定資産税

固定資産税は土地や家屋、マンションといった「不動産」や、「償却資産」とよばれる「事業用かつ減価償却が必要な資産」に対して課せられる税金です。

不動産の場合、納税額は「固定資産税評価額×1.4%」で決まります。固定資産税評価額とは、その土地の価格や家屋の時価を定めたもので、3年に1度更新されます。固定資産税評価額は、家や土地を持っている場合に送られてくる固定資産税の納税通知書で確認することができます。

償却資産の場合はどうでしょうか。フリーランスの場合、機械装置、器具備品などの資産が償却資産に該当します。

身近な例では、10万円以上するパソコンを仕事で使っている場合などは、パソコンが償却資産になることがあります。なお、固定資産税には「免税点」が設けられており、資産の合計が150万円未満であれば税金がかかりません。

Aさんも固定資産を保有していないので、固定資産税はかかりません。

フリーランス・個人事業主はいつ税金を払う?

ここまで、フリーランスが支払うおもな税金を見てきました。では、これらの税金はいつ頃払うものなのでしょうか。

納付方法と納付時期

まず、各種税金の納付方法と納付時期を一覧でまとめてみました。

税金の種類 納税方法 納付時期(原則)

所得税 申告納税 3月15日まで
消費税 申告納税 3月31日まで

住民税 賦課課税 毎年6月に一括または4回に分けて分納
個人事業税 賦課課税 毎年8月に一括または2回に分けて分納
固定資産税 賦課課税 納期は地域で異なり、4回に分けて分納(一括納付も可能)

「国税」か「地方税」かによって納税方法などが大きく分かれるため、まずは「どの税金はどこに納めるのか」がわかるようになると、納付時期も頭に入りやすくなります。

  • 申告納税:納税者が納める税額を自分で計算して申告する方法
  • 賦課課税:税金の徴収側が納税額を計算したうえで、納付額を通知して納税させる方法

実際の納付スケジュールイメージ

ここでは、実際にフリーランスがどのようなスケジュールで税金を払うかをシミュレーションしてみます。

今回は2021年末開業のAさんを例に、2023年~2024年に発生する税金を見ていきましょう。なお、先ほどは個人事業税・固定資産税の支払いをシミュレーションしませんでしたが、今回はどちらも支払いがあると仮定。さらに、分割で納付できる税金は分割納付することとします。

また、その年の5月15日現在で、確定している前年分の所得金額や税額などを基準に計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上の場合、その年の所得税および復興特別所得税の一部を前払いする「予定納税」という制度があるため、今回はこれもシミュレーションしています。

支払期限 国税 地方税
2023年3月 ・所得税(2022年分)
・消費税(2022年分)
4月
5月
6月 ・住民税1回目(2022年分)
7月 ・所得税1回目(予定納税、2023年分) ・固定資産税1回目(2023年分)
8月 ・住民税2回目(2022年分)
・個人事業税(2022年分)
9月 ・固定資産税2回目(2023年分)
10月 ・住民税3回目(2022年分)
11月 ・所得税2回目(予定納税、2023年分) ・個人事業税2回目(2022年分)
12月 ・固定資産税3回目(2023年分)
2024年1月 ・住民税4回目(2022年分)
2月
3月 ・所得税(2023年分)
・消費税(2023年分)
・固定資産税4回目(2023年分)

これは一番納税回数が多いパターンとはいえ、ほぼ毎月のように何かしらの納税期限があることが分かります。また、事業で自動車を保有している場合には5月に自動車税の納付もあります。

このように、分割納付を含めるとほぼ毎月のように納税があるため、スケジュール管理と資金の確保をお忘れなく。

【フリーランスが従業員を雇用している場合】

フリーランスが従業員を雇用している場合には、源泉徴収税や健康保険料、厚生年金保険料、労働保険(労災保険、雇用保険)料などの支払いがあります。源泉徴収税、健康保険、厚生年金保険については毎月支払い、労働保険料は毎年7月ごろにまとめて支払います。

一部の費用は従業員の給与から天引きして支払いますが、会社負担の金額も人数が増えれば大きくなります。

税金の滞納や脱税には重いペナルティのおそれ

上記のように、確定申告とは異なる納期や所得に関係なく課税される税金もあるため、うっかり納税を忘れてしまった場合には、気付いた時点で速やかに納税することが大切です。

もし納税を忘れている税金の有無が分らないときは、事業登録をしている住所を管轄する税務署などに問い合わせるといいでしょう。基本的に納税が遅れても、少しの期間であれば、そのままの納付書で納税できるケースがほとんどです。

しかし、悪質な脱税が明るみとなった場合には、不納付加算税、延滞税、無申告加算税、重加算税などの重い追徴課税を課せられるケースがあるため、十分に注意しましょう。

また納税を怠ると、金融機関からの融資を受けられなくなるおそれがあります。納税は社会的信用を得るための大切な行為ですので、しっかりと納付の管理を行い、期限までに支払うことが大切です。

フリーランス・個人事業主の節税対策

ここまで、フリーランスの税金について解説してきました。しかし、おそらく「税金を払いたくなった!」という方はいないでしょう。むしろ「どうやったら税金をできるだけ安くできるんだろう……」と思った方も多いはず。

そこで、以下ではフリーランスの節税対策について解説します。

対策1. 経費をもれなく計上する

まずは、基本的な対策として「経費をもれなく計上する」ことが挙げられます。先ほど示した所得の算出方法を踏まえると、経費が増えれば節税効果が大きくなることはわかりやすいですね。

たとえば、以下で示したような費用は、経費として計上できる可能性が高いです。

【フリーランスが経費にできる項目の一例】

  • 事業に必要な仕入原価
  • 事業に関連する書籍や資料の購入費用
  • 事業を行うオフィスや店舗などの賃料
  • 事業に必要な消耗品(文房具や事務用品などの消耗品、PCなど)
  • 事業にかかった広告宣伝費
  • 事業のために必要な旅費交通費(電車やバス代、飛行機代、タクシー代、車のガソリン代、高速代、ホテル代など)
  • 事業に関わる打ち合わせをするときの会議費用(喫茶店のお茶代なども含む)
  • 事業に必要な通信費(固定電話料金・携帯電話料金・インターネット料金)など

事業の運営に必要な費用は、もれなく計上しておくようにしましょう。

ただし、この「経費」という概念は「納税者から見ると正解が分からない」という点が非常にやっかいです。経費か否かを判断する基準は「事業を運営するために必要な支出だったかどうか」になるのですが、最終的にこれを判断するのは税務署であり、私たちの感覚とはズレることも多いからです。

そのため、「とりあえず経費を増やして所得を圧縮しよう!」とあれもこれも経費に計上すると、税務署からお𠮟りを受け、最悪の場合は脱税と判断されてしまう可能性もあります。

また、経費はあくまで「支出」でもあるため、節税のために無駄遣いしてしまうと、「支出をしたことによる赤字>経費計上による節税効果」になり、かえって損をするケースもあります。

経費に関する判断は非常に難しいため、迷った際は「とりあえず家事按分しておく」「税理士に相談する」などの対策を行い、無意識のうちに脱税をしてしまわないよう気を付けましょう。

※家事按分:事業でもプライベートでも利用するものにお金を払った場合、払った費用の一部を経費に、一部をプライベートな支出にすること(例:自宅兼事務所となっている自宅の家賃を家事案分し、50%を経費にする)

対策2. 控除をもれなくまとめる

確定申告するときに「経費」とともに確認しなければならないのが「控除」です。控除には、課税対象となる所得から控除を受ける、つまり税金を計算するベースになる所得額を減らせる「所得控除」や、算出された税金から控除を受ける、つまり税金額そのものが安くなる「税額控除」があります。

控除を受けることで税額が少なくなるため、節税に大きな効果がありますが、控除は自動的に適用されるわけではありません。フリーランス自らが支払証明書などを参考にして、金額を記入する必要があります。

年末が近づくと、その年に支払った控除に使える支出の一覧表などが送付されるはずなので、それらを確認して控除にもれが発生しないよう気を付けましょう。

具体的な所得控除と税額控除については、以下の一覧表でご確認ください。

【所得控除】

控除の名称 控除額(原則) 控除を受けられるおもな条件
基礎控除 48万円(※所得2,400万円を超えると控除額が段階的に減り、2,500万円を超えると控除額は0円に) 所得2,500万円以下である
配偶者控除 13万円〜48万円 年間所得が48万円以下の配偶者がいる
配偶者特別控除 1万円〜38万円 年間所得が48万円以上133万円以下の配偶者がいる
扶養控除 38万円〜63万円 扶養控除対象家族がいる(年間所得が48万円以下など)
雑損控除
  • (損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)×10%
  • (災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円
    ※いずれか多いほうの金額
自然災害や盗難、横領など、自身の家財や資産に損失が出た
医療費控除
  • (実際に支払った医療費の合計額-保険金など)-10万円
    ※最大200万円
生計をともにする親族や自分の医療費が、保険金などを差し引いても1年間で10万円を超えた
社会保険料控除 1年間に支払った社会保険料の全額 国民健康保険料や国民年金保険料、介護保険料などの社会保険料を支払った
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済などの掛金の全額 小規模企業共済や確定拠出年金の掛金を支払った
生命保険控除 最大12万円 生命保険や個人年金、介護医療保険を支払った
地震保険料控除 最大5万円 地震保険などの損害保険料を支払った
寄附金控除
  • その年に支出した特定寄附金の額の合計額
  • その年の総所得金額などの40パーセント相当額
    のいずれか低い金額-2000円
国や地方自治体などに寄附をした
障害者控除 27万円〜75万円 自分や配偶者、扶養家族が障害者認定を受けている
寡婦(夫)・ひとり親控除 27~35万円 配偶者と離別・死別した人、またはひとり親の人
勤労学生控除 27万円 働く学生

【おもな税額控除】

控除の名称 控除額(原則) 控除を受けられるおもな条件
住宅ローン控除 建築物件の種別などにより変動(最大455万円) 住宅ローンを使って、マイホームを購入・増改築・新築した人。合計所得が2,000万円以下であること、床面積が50㎡以上であることなども条件
外国税額控除
  • その年の所得税額×(その年の調整国外所得金額÷その年の所得総額)↑で限度額を超えた場合
  • その年の復興特別所得税額×(その年の調整国外所得金額÷その年の所得総額)も控除可能
外国で所得税などを納付した
寄付金特別控除 支出した寄付金の種類により変動 政党、認定NPO、公益財団法人などに寄付をした
配当控除 課税所得金額により変動 株式投資や証券投資信託などで得た配当所得がある

対策3. 青色申告を行う

確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類がありますが、節税効果が高いのは圧倒的に「青色申告」です。青色申告にはさまざまな特典があり、なかでも「青色申告特別控除」を活用すれば、最高で65万円もの控除を受けられるからです。

白色申告は帳簿の作成などが比較的簡単な代わりに、基本的に税制上の優遇措置はありません。これに対し、開業後2ヶ月以内に税務署へ青色申告の承認申請を行うことで、税金に対する優遇措置を受けられます。

対策4. 小規模企業共済/iDeCoを利用する

控除に関する項目でも少し説明しましたが、小規模企業共済iDeCoといった制度は、活用すると節税効果が非常に大きいことで知られています。

控除には「損をしたぶんを控除として所得から差し引ける」という性質があるため、フリーランスが控除額を増やしても同じくらい損をすることが多いです。また、自分の家族構成や健康状態に左右される控除も多く、控除額を増やすことは難しいです。

しかし、小規模企業共済やiDeCoは、掛金として支払った金額が全額控除できるうえ、支払った金額も退職金代わりに戻ってくるという性質があります。資産運用になるため、老後に若干の損をする可能性はありますが、「ほとんど損をせず掛金を全額控除できる(なんなら、老後に掛金が増えている確率のほうが高い)」という点で非常にコスパが良いです。

対策5. ふるさと納税を行う

ふるさと納税も非常に節税効果の大きい対策のひとつです。フリーランスの場合、会社員に比べて「年末までの収入が読みづらい」など少し使い勝手は悪くなりますが、節税効果は変わりません。

ふるさと納税は小規模企業共済やiDeCo以上にしっかり制度を理解し、自分でベストの納税額を探り当てる必要があります。フリーランスのふるさと納税については、以下の記事をご覧ください。

対策6. 税理士にアドバイスを受ける

税理士といえば「確定申告を丸投げできる人」というイメージもあるかもしれません。しかし、当メディアで以前に税理士の先生方に取材した際、「最近の税理士は、経営や資金調達、節税のアドバイスなどを行い、事業運営のサポートをすることが増えてきました」というコメントがありました。

このように、節税アドバイザー的な役割を果たしてくれる税理士も多いため、節税を極めたければプロの力を借りるのがベストでしょう。

まとめ

フリーランスとして活動する場合、さまざまな税金が課せられます。

もちろん会社員も毎月の給料から天引きされる形で納税しているケースが多いのですが、個人事業主の場合には自分で申告から納税までを行う必要があるため、しっかりと計画的に納税することが大切です。

ぜひこの記事で紹介した内容を参考にして、うっかり納税を忘れることのないように準備してください。

(執筆:ようすけ 編集:少年B 監修:トージンFP事務所)

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