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マクドナルドのロゴの歴史。あれは“M”ではなかった!?

マクドナルド
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「ハンバーガーといえば?」

と聞かれれば、多くの人が「マクドナルド!」と答えるでしょう。​​あの赤と黄色が印象的なロゴを思い浮かべながら。

マクドナルドのイニシャルである「M」を表しているように見えるあのロゴですが、じつは「M」ではありません。

今回は、1940年の創業から現在に至るまでのロゴの変遷やロゴが生まれた背景、そしてデザインに秘められた狙いを見ていきましょう。

マクドナルドの歴史

マクドナルドは、1940年にアメリカ合衆国でマクドナルド兄弟によって創業されました。

当時、マクドナルドがほかの飲食店と一線を画していたのは、その効率性です。料理をいかに効率よく提供できるかが徹底的に重視されており、ケチャップが適量分でる器具の発明からより早く調理を可能にする従業員の配置まで、改善が繰り返されていました。

兄弟が考案したその調理・提供の管理体制は「スピード・サービス・システム」と呼ばれ、工場のようなオートメーション化を実現させました。

こうしたスピーディーな食事提供を可能にする仕組みによって、第二次世界大戦後の1948年以降、マクドナルドは規模を拡大していきます。

その仕組みに興味を持ったのが企業家のレイ・クロックです。彼はマクドナルドのシステムをフランチャイズ化して、システムそのものを売り出すことをマクドナルド兄弟に提案。兄弟は、渋々ながらも提案を受け入れました。

その後、レイ・クロックが提案・実施したフランチャイズ戦略は、さまざまな場所で即座に成果をあげます。そうして1955年、レイ・クロックは現在のマクドナルドにつながる「McDonald’s Systems Inc」を設立。のちに「McDonald’s Corporation(マクドナルドコーポレーション)」に改名したのでした。

マクドナルドのロゴの変遷

現在、世界中で見られるマクドナルドのロゴですが、創業時はまったく異なるデザインでした。

この項目では、現在のロゴができあがるまでの歴史をご紹介します。

1940年

マクドナルド ロゴ 歴史

▲出典:カラパイア

創業当時のロゴで、「マクドナルドの評判バーベキュー」と書かれています。当時はバーベキューが主な商品で、ハンバーガーがメインではありませんでした。

1948年

マクドナルド ロゴ 歴史

▲出典:Business Insider

店を営業するうちに、バーベキューよりもハンバーガーが人気だと気づいたマクドナルド兄弟は、メニューとロゴからバーベキューを削除。1948年にハンバーガー店「マクドナルド」としてリニューアルオープンしました。

1953年

マクドナルド ロゴ 歴史

▲出典:カラパイア

マクドナルドのフランチャイズ化が始まった1953年から採用されたロゴです。ロゴには、ハンバーガーをモチーフにした「スピーディー」というキャラクターが描かれています。

1962年

マクドナルド ロゴ 歴史

▲出典:Business Insider

「M」のマークが登場したのは1962年。シカゴにあるマクドナルドのフランチャイズ1号店の建築デザインに使用されていた「ゴールデンアーチ」をモチーフにロゴが作成されました。真ん中の線は屋根をイメージしたものです。

1968年

マクドナルド ロゴ 歴史

▲出典:カラパイア

60年代後半から、店のデザインを徐々に変更したマクドナルド。店舗から2本のアーチをなくすなかで、ロゴも変更されました。1968年以降に使われていたロゴからは、屋根のラインが削除され、現在でも親しまれている赤の背景に黄色のマークというデザインになりました。

2003年

マクドナルド ロゴ 歴史

▲出典:カラパイア

長らく変更されなかったロゴですが、2003年にマクドナルドのマーケティングの方向性が大きく変わり、ロゴもその影響を大きく受けます。現在でも使われている「I’m Lovin’ It」のキャッチフレーズが取り入れられ、社名は除かれました。一方で、ゴールデンアーチは立体的になり、影を加えることで強調されました。

2006年

2006年には「I’m Lovin’ It」のフレーズも取り除かれ、ゴールデンアーチだけのロゴとなりました。

知名度が高まるにつれロゴから会社名を外すなど、デザインを年々シンプルに変更していく点は、同じく世界的な企業となったスターバックスとも共通しますね。

マクドナルドロゴのデザイン要素

最後に、マクドナルドのロゴに使われているデザイン要素を細かく見ていきましょう。

由来

マクドナルド シカゴ1号店

▲マクドナルド1号店(出店:マクドナルド

マクドナルドを象徴するロゴの「M」のマーク。これは先述したとおり、1955年にオープンしたフランチャイズ1号店をモチーフとして作られたものでした。

その店は、外観に2本の大きなアーチをあしらうなど、注目を集めるため独創的なデザインで設計されました。オープン後、狙い通り2本のアーチは「ゴールデンアーチ」と呼ばれ、マクドナルドのシンボル的存在になります。

その後、イメージ定着のための新たなロゴを作る際に、そのアーチを用いたロゴが作られ、現在に至るまで使用されています。

「M」に見えるアーチ状のマークで、マクドナルドを連想させます。

また、この2つのアーチをモチーフしたデザインは「母なるマクドナルドの乳房」と例えられ、「性衝動を人間の行動原理においたフロイトの理論を適用したもので、マクドナルドのマーケティングに貢献している」と言われることもあります。(参考:Snopes

マクドナルドのロゴには赤や黄色が使われています。これは創業当時からシンボルカラーとして使用されており、公式サイトでは以下のような記述も。

マクドナルドの看板は何故赤色と黄色なのか?
創業当時より赤と黄色をシンボルカラーとしています。マクドナルドではゴールデンアーチをマクドナルドブランドの特徴を持った価値あるシンボルと位置づけています。

(引用:マクドナルド

赤と黄色は、どちらも注意を喚起する色です。マクドナルドは、それを大胆に組み合わせ、自社のシンボルカラーとなるまでに強調してきました。

なお余談ですが、マクドナルドの特定の店舗では、景観への配慮などの理由から黄色のマークを使用していないことがあります。

マクドナルド ロゴ 歴史

▲レッドロックのあるアリゾナ州のマクドナルド(出典:Wikipedia

おわりに

マクドナルドは、どんな細部からも緻密なマーケティング戦略を感じさせる企業です。その息吹はロゴにも吹き込まれており、結果として「M」のマークを知らない人はほぼいません。

デザイン要素をゴールデンアーチだけに削ぎ落とした現在のロゴが今後どのように変化するかは未知数ですが、変更された際には、ぜひその背景にある狙いを考えてみてください。

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