エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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こんにちは。デザイナーのこげちゃ丸です。
「ペルソナ」という言葉を聞いたことがありますか? もともとはマーケティング用語ですが、最近では新規事業開発や提案型の営業まで、さまざまな場面で目にするようになりました。
ペルソナとは、製品やサービス、コンテンツ開発などの際に想定する「仮想ユーザー」のことです。ユーザー像を突き詰めてリアルに描くことで、ユーザーへの理解を深め、潜在ニーズを探るための手法です。
一般的には、年齢や住所、職業や年収などの「定量データ(数値化できる情報)」と、感情や趣味嗜好につながる「定性情報(数値化できない情報)」を集め、それらを元にペルソナシートを作成します。
ただし、ペルソナをつくる上で陥りがちな失敗もあります。それは、ユーザー像をリアルにしようとするあまり、情報が羅列されただけの「使えないペルソナ」になってしまうこと。
ペルソナで一番大切なことは、自分たちが誰のために開発しているかを、チーム内で共有することです。そうすることで、ユーザーが必要としていることが明確になり、開発の方向性も定まります。情報の密度が高ければいいわけではありません。
今回は、どうすれば「使える」ペルソナが作れるのか? 集めた情報を言語化、見える化するときの注意点を事例と共にご紹介します。
クライアントワークを中心に活動している、描いたり書いたりしているデザイナー。商品デザインからビジネスコンセプトづくりまで、幅広い領域で悪戦苦闘の毎日です。(Twitter:@onigiriEdesign)
目次
いつも周りを笑顔にして、その場の雰囲気を明るくする人を「太陽みたいな人」と表現することがあります。太陽より明るい恒星もありますが、「彼はピストル・スター(※)みたいだね」とは、決して言いませんよね。
(※ピストル・スター:太陽の500倍明るいとされている恒星)
いくら仮想ユーザーを的確に表現できるからといって、誰も知らない言葉でペルソナをつくっては意味がありません。自分がイメージしやすいからといって「このペルソナのモデルは、友だちのAさんです」と言っても、相手には伝わらないのと一緒です。
ペルソナは、自分たちのサービスや製品の方向性を議論するためにつくるもの。そして議論を活発化するためには、プロジェクト内でイメージを共有できる、みんなが知っている言葉を使わなくてはいけません。
もうひとつ大事なことは、ペルソナに余白を残しておくことです。
上の例のように、はじめからガチガチに言葉を置いてしまうと、ユーザー像が固まってしまい、議論の余地がありません。
ペルソナはなるべく詳細に情報を記述すべし!という意見もありますが、やりすぎは逆効果です。最初は箇条書きで構いません。むしろ、そのくらいの言葉の密度の方がいいです。その箇条書きを持ち寄り、企画や営業、そしてデザイナーと立場が異なる人が意見を出し合い、みんなで議論してペルソナシートを完成させることが大事なんです。
逆にペルソナを前にして議論が進まない、偏ったアイデアしか出てこない……なんてときは、その資料に余白が少ない証拠です。ペルソナを見直して、余分な情報を間引いた方がいいでしょう。
ペルソナをつくるとき、その人をひとことで表すキャッチフレーズをつくることがあります。先ほどのサンプルではイメージ写真の上に書いた、「自分らしくシンプルに暮らしたい、バランス型、バリキャリ系」がそれです。
このとき、流行り言葉を使うと共通のイメージを持ちやすく、とても重宝します。ただ、これは使い方によっては、ユーザー像が曖昧になる「危険な言葉」にもなるんです。
「アクティブシニア」という言葉があります。趣味にも仕事にも熱心で、健康意識が高い高齢者をさす言葉ですが、数年前、この言葉がマーケティング分野で大流行したことがあったんです。旅行や洋服、お菓子に住宅まで、あらゆる企画がアクティブシニアの文字で埋め尽くされました。
結果、さまざまな業界がこぞって自社サービスのペルソナを「アクティブシニア」とし、供給過多になり、市場は飽和しました。いくら時間的にも金銭的にも余裕があるユーザー層とはいえ、使えるお金は限られてますよね。
流行り言葉でペルソナをつくるときは、「競争の激しいレッドオーシャンじゃないのか?」という意識を持たなければいけません。
さらにいけないのは、新規性を出そうとして「ニュー・アクティブシニア」のように抽象度が高い言葉をつくってしまうことです。「ニュー」を付けただけでは、いままでと何がどう違うのか、分からないですよね。これでは議論も活発化しないし、企画も通らないでしょう。
「ニュー(New)」「ネオ(Neo)」「ネクスト(Next)」。この3つは、ペルソナづくりのNGワード。使うことで抽象度は上がってしまうし、そこから新たな想像もしづらい言葉なので、使わないほうがいいと思っています。
たとえば、おなじアクティブシニアを表すとしても、「デジタルシニア」や「DXじいちゃん」だったらどうでしょうか? Webショッピングを楽しんだり、SNSで積極的に発信しているなど、いまの時代にあったアクティブシニア像のイメージが湧いてきませんか?
ペルソナづくりで大事なことの3つ目は、「流行り言葉に頼らずに、見るひとの想像力を刺激する言葉を使おう!」です。これを意識するだけで、ぐっとペルソナが良くなるので、ぜひ覚えておいてください。
ユーザーの潜在ニーズに迫る「活きたペルソナ」をつくるには、定量データ(数値化できる情報)と定性データ(数値化できない情報)の両方が必要だと冒頭に述べました。そして、定性データをもとにペルソナに命を吹きこむのが、「ストーリー(物語)」です。
無料で配布されているペルソナシートのフォーマットの多くに、「ストーリー」や「エピソード」という欄があります。ユーザーがどのような人なのか、その解像度を高める為の大事な項目です。でも、ペルソナづくりで一番悩むのがこの項目でしょう。基本情報や行動情報は、アンケートなどの定量情報をもとに書けますが、ストーリーはそうもいきません。
普段、文章を書きなれていない人にとっては、まるで「小説を書きなさい」と言われてるようで、ハードルが高いですよね。だからといってペルソナから「ストーリー」の項目を外してしまうと、履歴書みたいな人間味のないペルソナになってしまいます。
そこで、文章を書くのが苦手な人にお薦めなのが、「ビジュアルでストーリーを伝える」手法です。
服装や部屋のインテリアには趣味嗜好が出るものですが、その人の個性をもっとも感じるのは鞄とその中身でしょう。人目に触れる鞄のなかに、ふだん見せない意外なアイテムが入っていたりするものです。
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そんな鞄をペルソナづくりに使わない手はありません。サンプル画像を見ているだけで、ユーザーへの想像力が増してきませんか? 「全体にモノトーン系なのにサイフだけカラフルなのはなんでだろう?」「リンゴを丸ごと、鞄に入れてるの!? 見かけによらずワイルドだね」など、その人をよりリアルに感じる物語が頭に浮かんでくるはずです。
これがビジュアルで語るストーリーの力です。しかもこの手法は、デザイナーでなくても簡単にできるところがポイントです。ユーザーの生活を思い浮かべながら、使っていそうなアイテムを切り貼りするだけなので、誰でも簡単にできます。ペルソナづくりに欠かせない「ユーザー起点で考える」ことを自然にできるのが、この手法のいいところです。
本棚やスマホでよく使うアプリなど、鞄以外にも、その人らしさを表現するアイテムはたくさんあります。企画に合わせて最適なアイテムを選んで、みんなでアイデア出しをしてみてください。言葉だけでなく、ビジュアルを使うとペルソナの議論が盛り上がりますよ!
(執筆&イラスト:こげちゃ丸 編集:少年B)
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