フリーランスはやめとけと言われる9つの理由|適性や独立前の準備も解説

「フリーランスはやめとけ」といわれる理由は、収入の不安定さや社会保障の低さなどがあげられます。また、現役フリーランスからみて向いていないと思う人にも、否定的なアドバイスをするかもしれません。

なぜフリーランスとして働くことを否定するのか、自分はフリーランスに向いていないのか、と気になる人もいるでしょう。

この記事では、フリーランスはやめとけと言われる9つの理由について解説します。適性や独立前の準備についてもまとめました。

フリーランスの需要

近年、働き方改革や感染症対策などでオフィスに依存しない働き方が広まりました。新しい働き方が普及したことで、自宅で仕事ができるフリーランスの働き方が注目を浴びています。

エンジニアやライター、Webデザイナーは養成スクールも増えていて、支援するサービスも豊富です。スクール卒業後、1件でも案件を獲得すればフリーランスとして活動をスタートできます。ただ総務省労働局の『労働力調査(基本集計)2022年』によると、自営業の数は減少傾向にあることがわかりました。

自営業主・家族従業者数の推移

▲出典:労働力調査(基本集計)2022年

このグラフを見ると、とくに増えすぎているようには思えませんが、エンジニアなどを含めIT人材不足は深刻な問題となっていて、これからフリーランスの需要はますます高まると予測されています。

フリーランスはやめとけといわれる9つの理由

フリーランスに挑戦したいのに「やめとけ」と否定的な意見をいわれるとショックを受けるでしょう。ただ、否定的な意見をいう人は必ずしも、辞めてほしくて言っているのではありません。なぜ「フリーランスはやめとけ」というのか、その理由について解説します。

理由1. 収入が不安定

フリーランスは、仕事の依頼が安定してあるわけではありません。会社員のように毎月安定した収入を得ることはできないため、かなり不安定です。

また、フリーランスになると国民年金と国民健康保険へ加入します。全額自己負担となるため、支払う金額に驚く人も少なくありません。また労災保険や雇用保険も対象外です。

収入が安定するまでは会社員として働く方法もあります。

理由2. 高度なスキルが必要

フリーランスとして活躍するには、1人で案件をこなせるスキルや専門知識が必要です。近年は業務のDX化にともない、先端技術を扱えるDX人材が求められています。社会のニーズをくみ取り、対応していくためのスキルの習得も自身で行わなければなりません。

習得したスキルを仕事にいかす方法について下記で解説しています。

理由3. 社会的信用が低い

フリーランスは会社員と違って収入が不安定なため社会的な信用が低くなりがちです。一定の信用が必要な場合に審査がとおりにくいことがデメリットとしてあげられます。

また会社員は企業の看板を背負って活動できますが、フリーランスには掲げられる看板はありません。収入が不安定で看板もないとなると、賃貸契約やローン審査などで苦労することが多くなります

理由4. 営業や事務、確定申告をひとりでやる必要がある

フリーランスは実務以外にも、営業活動や事務作業、確定申告などすべて1人で行わなければなりません。

1人でやる作業が多いため、実務以外にも多くの知識が必要です。営業が苦手でも数字が苦手でも、フリーランスとして働くなら避けてとおることはできないため、しっかりとした心構えが必要です。

フリーランスが仕事を得るための営業方法について、何からすればよいのかわからない方は下記の記事が役立ちます。

理由5. 突然の契約解除リスクがある

フリーランスは基本的に業務委託契約を結んで仕事をしますが、突然の契約解除で仕事を失うおそれがあることを理解しておかなければなりません。契約解除の理由としては、クライアントの業績悪化による人員整理やミスマッチなどがあげられます。

突然の契約解除などトラブルが起きたときは、厚生労働省の『フリーランス・トラブル110番』が役立ちます。

理由6. コミュニケーション力が低下しがち

フリーランスは基本的に1人で仕事を進めます。コミュニケーションをとるといっても、チャットやWeb会議などリモートで対応できるものが主流です。適性があれば安定して仕事を獲得できますが、誰かと協力してプロジェクトを遂行するといったマネジメント経験を積むことはできません

ひとりで仕事をしていると気になるコミュニケーション力。下記の記事では、コミュニケーションロスを防ぐ方法を紹介しています。

理由7. 常に学び続ける必要がある

フリーランスとして働き続けるには、知識のアップデートが必要です。新しい知識をもっている人材は各所から重宝されます。会社員なら社内研修がありますが、フリーランスは自身で知識を習得しなければなりません。

実務や営業、事務など作業負担が大きいうえに、さらに新しい知識を習得するのは大変ですよね。「フリーランス白書2023」によるとフリーランスでもっとも多い年齢層は40代です。40代という年齢やスキルの壁に不安を抱えている人は少なくありません

将来を見据えて新たなスキルを身につけたいと考えている方は、下記の記事も役立ちます。

理由8. テクノロジーにより淘汰されるリスクがある

近年、生成AIを活用したさまざまなサービスが誕生しています。AI(人工知能)の開発が進んだことで「AIに仕事が奪われる」ともいわれています。実際にノーコード・ローコード開発が進んだことで一部のプログラマーの需要は低下しつつあるようです。

こうしたテクノロジーの進化により、一部の職種が淘汰されるリスクがあります。リスクに備えてひとつのスキルだけではなく、複数のスキルを掛け合わせて働く方法も考えてみましょう。

理由9. 気持ちの余裕を持ちにくい

フリーランスはさまざまなことが自己責任です。ときにはプレッシャーで押しつぶされそうな気持ちになることも少なくありません。とくに案件がなかなか取れないとお金がなくなるので、気持に余裕がもちにくくなります

フリーランスとして活躍するには、スキル以外にも大切なことがあります。稼ぎ続けるフリーランスでいるための方法をご覧ください。

フリーランスに向いている人の特徴

どんな仕事にも適性があるように、フリーランスにも向き不向きがあります。まずはフリーランスに向いている人の特徴を6つご紹介しましょう。

セルフチェックもできますよ。「フリーランス適正診断テスト」でチェックしてみてください。

特徴1. 自分の都合にあわせて働きたい

フリーランスに向いているのは、自分の裁量で働きたい人です。出退勤の時間はもちろん、受注数や作業時間などを自身で調整しながら業務を進めます。スケジュール管理など責任を伴いますが、自分の裁量がわかっていればワークライフバランスの実現が可能です。

特徴2. 自主的に行動できる

フリーランスは会社のように指揮命令を受けることはありません。自分で考えて自主的に行動できる人がフリーランスに向いています。わからないことも自分で理解しようと努力できるため、問題解決力の向上にもつながります。

特徴3. 実務経験・高度な専門スキルがある

会社員時代に多くの実績や実務経験を積んでいる人はフリーランスに向いています。培った経験からスキルも高く専門性にもすぐれているのが特徴です。

特徴4. 案件を獲得できる人脈がある

フリーランスの案件獲得経路でもっとも多いのは「知人・友人からの紹介」です。仕事を紹介してもらえる人脈をもっていれば、フリーランスとしても安定して案件を獲得できます。

特徴5. 向上心がある

将来の明確な目標をもっている人はフリーランスに向いています。目標を達成するには、向上心が必要です。向上心があればスキルアップなどにも積極的に取り組めますし、何かつらいことやトラブルが起きても乗り越えられる力をもっています。

特徴6. ひとり作業が苦ではない

フリーランスは自分の好きな場所で仕事ができますが、基本的にひとり作業が多いです。ひとりでもまったく苦ではなく、楽しめる人はフリーランスに向いています。

フリーランスに向いていない人の特徴

「組織に縛られず自由に働きたい」という想いでフリーランスになるのは少し危険です。ここではフリーランスに向いていない人の特徴を6つご紹介します。

特徴1. 自己管理が苦手

フリーランスは好きなように働けるのが魅力ですが、自己管理が苦手な人には向いていません。そもそも生活がだらしない人は仕事のスケジュールもうまく管理ができないでしょう。まずは自身の生活リズムを整えてください。

特徴2. 専門的なスキルがない

資格やスキルなどがなくてもフリーランスにはなれますが、それなりの報酬を得るには専門的なスキルは必須です。働きながら学んで専門性を高める方法もあります。

特徴3. 楽して稼ぐことが目的

結論からいうと、楽をして稼ぐことが目的の人はフリーランスには向いていません。案件獲得のためにスキルアップが必要ですし、営業活動や事務作業などもひとりでこなさなければなりません。楽しく働けるようになるまでたくさんの努力を積み重ねています。

特徴4.人脈に頼ってばかり

人に頼るのはいけないことではありません。頼りすぎてしまうと、自身で問題を解決する能力がつきにくくなるおそれがあります。ただし、人脈を広げることはメリットも豊富です。自分の成長のためにも、どこまで頼るのか決めておくことも大切です。

特徴5.コミュニケーション力が低い

フリーランスはチャットツールなどでやり取りをして業務を進めます。コミュニケーション力が低いと文字だけで情報を伝えることができず、言い回しなどが原因でトラブルに発展するおそれがあるため注意が必要です。

特徴6.ひとりで勉強できない

スキルアップのためには勉強は必須です。ただ誰かに教わらないと勉強できない人はフリーランスには向いていません。独学で知識やスキルを身につけることができれば効率的に時間を使えるようになります。

フリーランスになる前に準備すべきこと

フリーランスは収入の不安定さや社会的信用の低さから、活動後に行うといろいろ面倒なことがあります。ここでは、フリーランスとして活動する前に、準備しておくべきことを7つ紹介します。

準備1. 目指す職種で経験・実績を積む

フリーランスになる前に、現職で幅広い業務に携わっておくことをおすすめします。企業と業務委託契約を結ぶときは、これまでの実績をまとめた職務経歴書を提示する機会があります。経験や実績を重視する企業だと、スムーズに契約を結ぶことができるでしょう。

未経験の職種でフリーランスになるなら、なるだけ多くの制作物をつくりスキルを磨いてください。

準備2. 自己管理を徹底する

フリーランスは時間や場所にとらわれずに働けるメリットがありますが、対して徹底した自己管理が求められます。スケジュール管理はもちろん、業務を完遂するための体調管理などです。

スケジュール管理の方法はさまざまあり、自分にあったものを見つけておくことが大切です。がんばりすぎそうな人は以下の記事がヒントになるので読んでみてください。

準備3. 貯金とクレジットカードをつくる

フリーランスとして安定した収入を得られるまで、生活費を補うための貯金をしておくと安心です。クレジットカードも審査落ちの可能性が高まるため、独立前に作成しておきましょう。

フリーランスや個人事業主でも発行可能なクレジットカードは以下の記事で紹介しています。

準備4. スキルを洗い出す

現在もっている自身のスキルを洗い出すことで、フリーランスとして活躍するために必要なスキルを把握することができます。スキルアップや収入アップなど目標を立てて、どのようなスキルを身につけたらよいのか見極めることが大切です。

フリーランスには、技能としてのスキル以外に必要なスキルがあります。稼げるフリーランスになりたい人は読んでみてください。

準備5. ポートフォリオを作成する

ポートフォリオはフリーランスにとって大切な営業ツールのひとつです。これまでの実績はもちろん、自身のスキルなどをまとめます。職種にもよりますが、近年はポートフォリオサイトを作る人も増えてきました。オンラインで営業活動をするときもURLを添付するだけでアピールできます。

自主制作で経験値を高めることもできるため、未経験者でも制作しておいたほうが良いでしょう。

以下の記事では、フリーランスのポートフォリオ作成に役立つ事例集や制作ツールを紹介しています。

準備6. 人脈を大切にする

フリーランスとして独立することを事前に周囲に伝えて人脈を作っておきましょう。会社員時代や学生時代の人脈から、依頼がくる可能性もあります。

人脈がない人は、勉強会やセミナー、フリーランスのコミュニティに参加して人脈を広げておくこともおすすめです。

自宅ではなく、コワーキングスペースなど他者とコミュニケーションがとれる場所で仕事をすることでつくれる人脈もあります。

準備7. マッチング・エージェントサービスを利用する

自分で営業活動をするのが苦手な人は、フリーランス向けのエージェントサービスを利用するのがおすすめです。「フリーランス白書2022」によると、フリーランスの仕事獲得の経路で増えつつあるのがエージェントサービスです。

自身で案件を選ぶこともできるため、フリーランスとして安定した収入を得たい方におすすめです。

フリーランスとして独立する準備ができたかどうかは、以下の記事でチェックしてみてください。

フリーランス独立後に意識したいポイント

いざ開業届を出してフリーランスになったら、目標に向かって走り続けるために大切にしてほしいことがあります。独立後に意識したいポイントについて解説します。

ポイント1. 新しい情報をキャッチアップするに意識を向ける

IT業界の場合、情報やトレンドの変動が激しく、つねに最新の情報を追いかけて知識やスキルを習得する必要があります。うまくキャッチアップできていないと、自身の需要が低下し、収入にも大きく影響を与えてしまう可能性があるので注意が必要です。

情報収集にはSNSやインターネット検索が役立ちます。なかでも有料会員になることで、有益な情報を収集できるサイトもあるので、探してみてください。

ポイント2. 事業主として交渉力を身につける

フリーランスとして避けてはとおれない単価交渉。個人事業主として、顧客と対等の立場でやり取りするには交渉力は必須です。ただ対等に交渉するには、それなりに知識が必要になります。契約書や法令関係などについても知識をつけておくのがおすすめです。

フリーランスとしてどのように交渉したら良いのでしょうか。悩んでいる人に役立ちます!

ポイント3. 他のフリーランスと比べすぎない

収入が不安定なときは、何をしても気持ちが前向きになれないものです。そんなときにSNSをみると、他のフリーランスのつぶやきが眩しくみえることがあります。

ただそんな人も、成功までにたくさんの失敗や困難を乗り越えているものです。「人は人」と割り切る力も残っていないなら、眩しい世界からはしばらく離れることをおすすめします

ポイント4. 「やめとけばよかった」は乗り越えられる

フリーランスは不安定とわかっていても、なかなか収入が安定しないと「フリーランスなんてやめとけばよかった……」と気持ちが落ち込んでしまうこともあります。深夜、家族が寝静まったあとにひとりで作業していると、なんともいえない気持ちになるものです。

ただ「継続は力なり」というように、続けていくことで乗り越えることができます。ただ「やめとけばよかった」というのは、状況によっては本当に辞めたほうがいいケースもあります。ネガティブになっているなと感じたときは、思い切って休んでみるのもおすすめです。

フリーランスの案件獲得におすすめのサイト6選

フリーランスとして安定を求めるなら、フリーランス向けのエージェントの活用がおすすめです。ここではとくにおすすめするマッチング・エージェントサービスを6選紹介します。

1. Workship

フリーランス専門の求人マッチングプラットフォームWorkship

▲出典:Workship

Workship』はフリーランス・副業人材専門の求人・案件検索プラットフォームです。登録企業数は1,000社以上、エンジニアやデザイナー、編集・ライター、ディレクター、マーケターなどの職種があり、2,300件を超える案件から条件を絞り込んで探せます。

業務委託契約のサポートをはじめ、登録フリーランスは賠償責任保険や会員制優待サービスなども利用可能です。

2. クロスデザイナー

デザイナー専門エージェントサービスのクロスデザイナー

▲出典:クロスデザイナー

クロスデザイナー』は日本最大級のデザイナー専門のエージェントサービスです。希望条件を提示しておけば採用コンサルタントが最適な案件を紹介してくれます。もちろん自分で案件を探して応募することも可能です。

業務委託契約から正社員へ契約転換も可能なため、キャリアチェンジを考えているフリーランスにもおすすめです。

クロスデザイナー

3. レバテックフリーランス

レバテックフリーランスはエンジニア向けエージェントサービス

▲出典:レバテックフリーランス

レバテックフリーランス』は、フリーランスエンジニアに特化したエージェントサービスです。フリーランスは実務以外に営業活動などやることがたくさんあって忙しいですよね。

エージェントが案件の紹介や単価交渉などを代行してくれるので、営業活動や交渉が苦手なフリーランスでも安定した案件獲得が見込めます。

レバテックフリーランス

4. ランサーズエージェント

ランサーズエージェントはITフリーランスのエージェントサービス

▲出典:ランサーズエージェント

ランサーズエージェント』はエンジニアやデザイナー、PM、マーケターなどの案件を中心としたフリーランスエージェントです。常駐案件やリモートなど働き方やスキルなど、希望の条件で絞り込むことができます。

良質なフルタイム常駐案件の紹介をアピールしているため、フリーランスとして安定した収入を得たい方におすすめです。

ランサーズエージェント

5. Midworks(ミッドワークス)

ITフリーランスエンジニア向け案件サイトMidworks

▲出典:Midworks

Midworks(ミッドワークス)』は、クラウドエンジニアやWebディレクター、サーバーエンジニアなどエンジニア案件を中心としたマッチングサイトです。約70%が直案件のため、高報酬を狙えます。

会員登録後、キャリアアドバイザーが案件探しを代行してくれるため、稼働時間を割くことなく効率的な営業活動が可能です。

Midworks(ミッドワークス)

6. SEES(シーズ)

SEESはシニアフリーランスITエンジニア向けエージェントサービス

▲出典:SEES

SEES(シーズ)』は40~60代以上のシニアITエンジニア向けのエージェントサービスです。オンラインコミュニティに入りにくいなど、人脈づくりや案件獲得に悩んでいるフリーランスにおすすめです。

利用者の平均年齢は55歳のため、「他エージェントサービスでは断られてしまった」という人も案件に参画できます。

SEES(シーズ)

まとめ

「フリーランスやめとけ」という人は、自身がフリーランスに向いていなかったか、辛い経験をした人が少なくありません。フリーランスは、実務以外に営業や事務などひとりでこなさなければならないことが多くあります。便利なツールやサービスもありますが、独立前にしっかり勉強をして基本的な知識を身につけておくと安心です。

また、効率よく営業活動をするなら『Workship』をぜひ活用してください。

フリーランス専門の求人マッチングプラットフォームWorkship

フリーランス・副業人材専門の求人・案件を検索できるプラットフォームです。案件数は2,400以上あり、職種・働き方・特徴・稼働時間・地域などで絞り込んで探すことができます。

トラブル相談窓口や賠償責任保険も付与されるため、安心して働くことが可能です。『Workship』への登録は無料です。

(執筆:吉永 ゆくら、編集:北村有)

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