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ADHDフリーランスに絶対に向いていない仕事と対処法

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こんにちは、フリーライターのゆぴです。2019年に会社を辞めて独立し、現在はフリーランスとして働いています。

そもそもADHDとして、「働くこと自体が向いてない」と思うことは多々ありますが、まぁ生きるためには働かにゃいかんので、これまで何とか働いてきました。

そのなかで、「これは絶対にADHDには向いてない!」と思う類の仕事も数多く経験してきました。

そこで、今回は「ADHDフリーランスに絶対に向いていない仕事」をテーマにお話しします。自分に向いていない仕事はうまく回避・対処して、できるだけ心地よく働きましょう!

ゆぴ
ゆぴ

永遠の17歳のフリーライター。強度のADHDなのに家族も親友もADHDだったので、診断されるまでは「ちょっとヤバいドジっ子」程度だと思っていた。(Twitter:@milkprincess17

1. 朝が早い仕事:午後対応にする・現地に前泊する

ADHDの特性に「過集中」というのがあるのですが、わたしは夜になるとこちらが悪い方向に働いてしまいます。

寝る前にやっていたことを中断することができず、夜更かししてしまうのです……。

最近やらかしたのが、450ページ近くある小説を寝る前に手に取ってしまったことでオールをキメたこと。

「寝る前に何もしなきゃいいのでは?」と思うかもしれませんが、日中に本を読んでも同様の現象が起きて、一切仕事が進まなくなるので、やっぱり娯楽は“寝る前のお楽しみ”にするのがいいという結論に至っています。

そんな私が最終的に行き着いた解決策は、いっそ朝に予定を入れないということ。基本的にすべての予定は昼の12時以降に入れるようにするだけで、かなり健やかに生きられるようになりました。目覚ましが必要ないって幸せすぎる。

どうしても朝に予定を入れなきゃいけない場合は、現地でホテルを取って前泊するようにしています。

1年前から使い倒している定額制宿泊サービス『HafH(ハフ)』は安価で全国のホテルやゲストハウスに泊まれるのでオススメ! わたしは大事な予定の日は基本すべて前泊です。

2. 長期に渡る仕事:小刻みに〆切を設ける

ADHDは長期に渡る仕事に向いていない気がします。というのも、時間の逆算が苦手だからです。

わたしのようなライターの仕事は、せいぜい取材してから納品するまで1〜2週間程度なので、ひとつの仕事にそこまで時間はかかりません。

しかし、一時期勉強していたWebデザインの仕事は、サイト設計から完成までが3ヶ月間。ライターの仕事と比べると圧倒的に長いので、どのくらいのペースで進めれば完成するのかがわからず、途中でダレて課題締切を盛大に破りました。

同じく、書籍を出版したときも、前半にサボタージュしまくった結果、後半は1日で1章分を書き上げる、という夏休み最終日状態が延々と続きました。「計画的にコツコツと」が本当にできないんですよね…!

そんななかでも筆を折らずに書き切れたのは、担当編集さんが細かく締切を設定してくれたおかげ。

▲リマインドもしてくれる神

目次はこの日まで、1章はこの日まで、修正はこの日まで……と何度もスケジュールを切り直してくれたことで、なんとか駆け抜けることができました。

とはいえ、普段からそんな優秀な編集さんがマネージャーのようにベタッと張り付いてくれるわけはありません。そこで、とりあえず「誰かに見せる日」を決めるべし!

以前、さまざまフリーランスと仕事をされている大瀬良 亮さんに取材させていただいたとき、「完成したものを納品するのではなく、作っている途中でコミュニケーションを多めに取る」という方法をオススメされていました。

それを踏襲し、私も「微妙に遅れてますが、ここまでできてますよ!」と報告しつつ仕事のペースを守るようにしています。

ただ、精神的に疲れるので苦手な仕事であることには違いないです。結論、短納期しか勝たん。

3. マルチタスクの仕事:1日1案件と決める

フリーランスとしては致命的かもしれませんが、ADHDはワーキングメモリーが少ないので一度に処理できることが限られています。つまり、マルチタスクが死ぬほど苦手です。

1日にいくつも異なるジャンルの仕事をこなそうとすると、優先順位が付けられずにしっちゃかめっちゃかになりがち!

じつは今も3本の原稿を抱えているのですが、衝動的に「書きたいもの」から手を付けてしまった結果、明日締め切りの原稿が後回しになりました。なぜこうなってしまうのかはマジで謎です。衝動を抑えられなくて……。

そんな事件を防ぐためにも、「今日はこの仕事だけしかしない!」というふうに、クライアントごとに仕事デーを設定する、というやり方を取ることが多いです。

たとえば、このWorkship MAGAZINEでのお仕事は、基本的に毎週木曜日にやるようにしているので、緊急時を除いて、ほかの日はWorkship MAGAZINEのことをあまり考えないようにしています。

「考えない」ことで脳のなかから追い出して、希少なワーキングメモリーを守る。そうすることで、ADHDの過集中という特性も活かせるので、1日1案件がベストです!

とはいえ、こんな綺麗にスケジュールを守るのもなかなか苦しいので、週によってどの曜日にやるかは変動します。

4. 話を聞くタイプの仕事:役割を与えてもらう

ADHDは人の話を聞くのが非常に苦手。文字通り、右から左に流れていくので、会議や打ち合わせの最中もボンヤリしがちです。

しかし! そんなわたしが最近、会議の内容を聞けるようになったんです。

その理由は「会議のファシリテーターを務めるようになったこと」。いかんせんファシリテーターなので、自分がしっかりと話を聞いていないと回らないし、参加者にも迷惑がかかってしまいます。そう考えると、手元でメモを取りながら話が聞けるようになっていきました。

思い返してみると、学生のころも先生の話なんてちっとも聞けなかったけれど、リスニングのテストではそこそこいい点を取れていました。そういえば、わたしは本業が取材ライターなのですが、なぜか取材ライターの仕事はできていますね……。友だちの話は全然聞いてないのに。

どうも、「責任感が生まれる」と「話を聞けるようになる」らしい……というのが私の立てた仮説です。

プロジェクトマネージャーになったり、ファシリテーターになったりと、何かしらの「役割」を与えてもらうことで責任感が生まれ、話が聞けるようになる。

そうやって強制的に「聞かなければいけない状態」を作ることで、会議やディスカッションにも前のめりで参加できるかもしれません。めちゃくちゃ疲れるのだけどね……!

5. 〆切のない仕事:〆切を設定するよう頼む

「いつでもいいですよ〜」と言われると、1ヶ月間ぐらい平気で納品しないのがADHD。甘えられるものには全力で甘えていくスタイルです。

加えてワーキングメモリーがミジンコレベルなので、その仕事があったこと自体をそのうち忘れてしまいます。頭のなかでは「出さなきゃな」と思いつつ、別の仕事をこなしているとはるか忘却の彼方へ……。

そうしてあれよあれよという間に時は過ぎていき、気付けばクライアントから催促が来て、慌てて着手……という経験が何度かありました。

基本的にはクライアントのほうから〆切を設定してくれることが多いですが、「いつでもいいですよ〜」と言われると絶対に絶対に甘えてしまうので、そう言われたら、「いえ、わたしは〆切がないとやらないので〆切をください!」と正直に伝えましょう。

▲自ら締め切りをタイトにする人の図

これを書きながら、1ヶ月前に取材した記事がまだ世に出ていないことに気付いたので、あとで先方に「〆切をください」と頭を下げにいこうと思います。はぁもう本当にイヤだ。

まとめ:対処はできるけど、できるだけ受けないがベスト

ここまで5つの向いていない仕事と対処法を並べてきましたが、まぁ総じて言えるのは「やらなくていいのなら、やらないほうがいい」ということです。

たしかに対処はできるかもしれないけど、朝が苦手なのに朝早い仕事を受けたり、スケジュールが立てられないのに長期プロジェクトを受けたりするのは、やはりどこかで無理が祟ってしまうと思うから。

せっかくのフリーランス! 厳しい制約がないからこそ、自分の苦手をきちんと知って、自分に向いている仕事を選びとっていきたいですね!

(執筆&イラスト:ゆぴ 編集:少年B)

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