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アポロ11号など、宇宙研究において欠かせない存在であるNASA。その宇宙を彷彿とさせるロゴを見れば、誰しもがNASAを思い浮かべるでしょう。
じつは、お馴染みの青い「ミートボール」のようなロゴは過去に一度、「ワーム」と呼ばれるロゴに変更されました。しかし、ある理由から戻されてしまします。
今回は、NASAの創業から現在に至るまでのロゴの変遷やロゴが生まれた背景、そのデザインの示す意味を見ていきましょう。
NASA(アメリカ航空宇宙局)は、宇宙開発を担当するアメリカ政府内の連邦機関です。
NASAの歴史は1915年、NASAの先駆けである「NACA(アメリカ航空諮問委員会)」の設立からはじまります。1941年には最初の研究施設「AERL(現グレン研究センター)」が建設され、ジョージ・W・ルイス氏を中心に行われた研究は軍の航空機エンジン開発にも応用されました。
しかし、旧ソ連がアメリカより先んじて世界初の人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げを成功させます。これをきっかけに宇宙開発競争が本格化。NACAを拡大するかたちで1958年にNASAが設立されました。
1961年にはアメリカで最初に実施された有人宇宙飛行計画「マーキュリー計画」にて、宇宙船「フリーダム7」が15分間の宇宙弾道飛行に成功。その1年後には、同計画の宇宙船「フレンドシップ7」で2時間半の世界初の地球周回飛行に成功しています。
マーキュリー計画終了後、月飛行に必要な情報収集を目的とした「ジェミニ計画」が実施されます。収集したデータから「人間が宇宙空間に長時間滞在できること」や「他の衛星とのランデブー飛行とドッキングが可能なこと」などが証明されました。ここでのランデブー飛行とは、宇宙空間で宇宙船同士が接近して飛行すること。ドッキングとは宇宙空間で宇宙船同士を合体させること。これらの実現可能性の証明は、現在の宇宙開発分野の礎を築いたといっても過言ではありません。
1961年、ケネディ大統領が人類初の月への有人宇宙飛行計画「アポロ計画」を発表し、1969年の12度目の打ち上げで「アポロ11号」が人類初の月面着陸に成功。月から総量およそ400kgにのぼる鉱物などのサンプルを持ち帰りました。
アポロ計画以降もNASAは、1973年の人類初宇宙ステーション「スカイラブ」、1970年代以降の「スペースシャトル開発」、1990年にヨーロッパ宇宙機関と共同開発した、地上約600km上空の軌道上を周回する「ハッブル宇宙望遠鏡」など、さまざまな画期的発明を行い、世界的に宇宙研究をリードしています。
1958年のNASA設立当初から1年間だけ利用されたロゴです。NASA所属のイラストレーターによってデザインされました。
惑星、小さく白い星、ロケットの翼をモチーフにした「シェブロン」と呼ばれるV字型の赤い模様が、宇宙空間をイメージした青い円形のなかに描かれ、その周りに「U.S.A. NATIONAL AERONAUTICS AND SPACE ADMINISTRATION(アメリカ航空宇宙局) 」と書かれています。
なお初代のロゴをベースにしたデザインは、現在も式典などで利用されています。
私たちに馴染みの深いこのロゴは、1959年にはじめて使用されました。
赤、青、白の3色を利用して「星」「シェブロン」「宇宙船の軌道」「惑星を表す円形」「宇宙」が、中央に白で大きく「NASA」の文字が描かれています。以前よりもややシンプルなデザインになりました。
このロゴの正式な呼び名は「Insignia」とされますが、親しみをこめて「ミートボール」と呼ばれているそう。
そんな「ミートボール」にとって変わったのが、1970年〜1992年に利用されたこのロゴです。
アメリカの「US Federal Design Improvement Program」という政策を機に、ニューヨークのデザインスタジオ「Danne & Blackburn」のリチャード・ダナー氏とブルース・ブラックバーン氏によってデザインされました。
太めなレタリングと、ロケットの先端部分(ノーズコーン)からインスピレーションを受けた「A」の形で、全体的に丸みを帯びたモダンな雰囲気が特徴。新ロゴは「ワーム」とよばれ、ロゴ使用の規定をまとめたガイドラインまで作成されました。
しかしロゴ変更を公表する前に、新ロゴの施されたステーショナリーセットがNASA傘下の各センターへ送られてしまったことを発端に、NASA内で物議を醸します。長年「ミートボール」として親しんできたロゴが知らぬ間に変更されたことで、職員たちに不信感を与えてしまったのです。社内で「ミートボール派」と「ワーム派」の派閥が生まれ騒動になるほどでした。
みなさん、このロゴに見覚えはありませんか? これは1959年〜1970年利用されていた、あの「ミートボール」です。1970年に一度「ワーム」へ変更されましたが、職員の士気向上と、1986年に起きたチャレンジャー号爆発事故の暗いイメージ払拭を目的に再び起用されました。1992年から現在に至るまで利用されています。
ロゴ変更には、やはり「ミートボール派」と「ワーム派」の対立が関係しているとの噂も。ミートボールに愛着を持つ「ベテラン社員」と、モダンでスタイリッシュなワームを受け入れる「若手社員」の対立にまで発展したこの騒動は、適切なフローで新ロゴのお披露目がされていれば起きていなかったかもしれません。
NASA内の対立の影響で不遇な運命を辿った「ワーム」のロゴ。しかし近年になって、このロゴを見る機会が増えています。
2020年SpaceX Falcon 9ロケットの機体に描かれたほか、2024年に月面着陸を目指す「アルテミス計画」のロケットと宇宙船にも使用されるようです。
もしかすると、再び「ワーム」の時代が戻ってくるかもしれませんね。
最後に、2018年のNASA創設60周年を機に発表された記念ロゴをご紹介します。アメリカ人グラフィックデザイナーであるマシュー・スケインズ氏によってデザインされました。
「60 NASA」の白文字、日の出を彷彿とさせる英数字下の円弧、「6」を描くようにデザインされた青と赤の矢印で構成されています。宇宙から見えるアメリカの夜景は、産業界や学界の宇宙における主導権を握っていることを示しているようです。
アメリカの宇宙にかける強い思いが感じられるロゴですね。
「ミートボール」と呼ばれるNASAのロゴは、赤、白、青の3色でデザインされ、惑星を表す円形の宇宙、星、軌道、シェブロンと「NASA」の白文字で構成されています。1度変更されたにも関わらず、元のデザインに戻されたほど愛される「ミートボール」の利用年数は、合計40年余りにのぼります。
そのほかのロゴも、宇宙研究をリードするNASAのイメージに合った、神秘的で前衛的なフォントやイラストでデザインされており、式典や次回のプロジェクトなど、これからもさまざまな場面での活躍が期待できそうです。
長年にわたり宇宙研究をリードしてきたNASA。その研究者たちの信念や思いはロゴにも吹き込まれています。
(執筆:上塚千映子 編集:泉)
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