【漫画】フリーランスは“103万円の壁”にどう向き合うか?

フリーランスは103万円の壁にどう向き合うか?

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渡部まなみ(32歳、主婦兼フリーランスライター)は、「103万円の壁」について不安を抱き、高田ゲンキに相談する。渡部は「年収が103万円を超えるか超えないかのラインにあるため、どのような点に気をつければいいか」と尋ねる。高田は「フリーランスならば年収の壁は恐れず越えるべきだ」とアドバイスする。 続けて、高田は会社員の夫とその配偶者のケースを例に挙げ、次のように説明する。配偶者の年収が「103万円以下」の場合、配偶者は「所得税が免除」される。また「社会保険料の支払い」も不要になる。一方、夫側には「配偶者控除」が適用され、最大38万円の控除を受けられるため、夫婦全体の納税額を軽減できる。ただし、配偶者の収入が103万円を超えるとこれらの優遇が適用されなくなる可能性があり、「106万円」や「130万円」のラインに応じて社会保険料の負担が発生する点にも注意が必要だ。

高田ゲンキは、配偶者の収入が一定以上になると発生する問題について具体的に説明する。まず、「103万円の壁」を超えると、以下の影響があることを示す。 1. 配偶者控除の対象外となる:夫は所得控除が受けられなくなり、納税額が増える。 2. 扶養から外れる:配偶者が健康保険や年金など社会保険の加入義務を負うため、自己負担が発生する。 また、具体的な年収ごとの影響を整理する表が示される: • 103万円の壁:基礎控除48万円と給与所得控除55万円の合計に該当。所得税が発生するライン。 • 108万円の壁:住民税が発生するライン。 • 113万円の壁:配偶者特別控除が段階的に減少を始めるライン。 • 130万円の壁:配偶者が扶養から外れ、社会保険の加入義務が発生するライン。 • 160万円の壁:配偶者特別控除が完全に消失するライン。 国民民主党が「103万円の壁」を引き上げる議論を進めているが、これが実現すれば、フリーランスにとっても恩恵がある可能性があると指摘する。ただし、「社会保険の130万円の壁」に関しては変更がないため、注意が必要である。 さらに、フリーランスは「案件ごとの収入変動」や「納期による逆算」など、会社員とは異なる難しさがあることにも触れつつ、「108万円や130万円の壁を意識するよりも、収入を安定的に増やす方向で考えるべきだ」とアドバイスを送る。

渡部まなみが「つまり、基準額以上に稼ぐべきということですか?」と問いかけると、高田ゲンキは「その通り!たとえ自己負担が増えたとしても、200万円や300万円稼ぐほうが結果的に良いと思わない?」と提案する。さらに「副業やアルバイト感覚で稼いでいる場合は、収入に限界を感じるだろう」と指摘する。渡部はこの発言に「たしかに、無意識にアルバイト感覚で限界を感じていた…!」と気づかされる。 高田は「フリーランスはスキルアップや効率化次第で、収入を何倍にも増やすことができるはず!」と強調する。しかし、「もちろん簡単ではなく、収入を意識せずに働き控えを選択してしまい、スキルや能力を開花できない人も多い」とも注意を促す。 最後に、「扶養から外れても税金や社会保険料を負担できる収入を得ることに注力すれば、より自由な働き方が実現できる」と結論づける。一方、別のシーンでは、「500万円以上稼ぐ力がある人が、扶養を気にするあまり活躍の機会を逃してしまうのはもったいない」と語る女性が登場し、スキルや自己投資の重要性を強調する。

高田ゲンキは「才能のある人が制度の枠に合わせて150万円や500万円稼げる力を諦めるのを見たくない!」と熱く語り、制度の壁を越えて成長することの重要性を強調する。渡部まなみは感動しながら、「そこまで聞いたら『壁を越える』の意味が分かりました!」と納得する。 さらに、高田は理想のワークライフバランスを例に挙げる。「例えば、平均日給25,000円で月10日働けば、年収300万円が可能。そのうえで月の残り20日は自由に使える!」と説明し、フリーランスの自由度の高さを具体的に示す。この発言に渡部も「それは夢がある!」と感激する。 高田は、「フリーランスの働き方は可能性に満ちており、制度の枠内で損をしない方法を模索するのも大事だが、壁や制度をバネにしてさらに成長するのが理想だ」と結論づける。そして、「令和のフリーランスだ!越えてゆけ、その壁を!!」と渡部にエールを送り、2人で壁を乗り越えるイメージを描きながら話を締めくくる。

こんにちは! 高田ゲンキです。

今回は「フリーランスと103万円の壁」について描いてみました。

衆院選での国民民主党の躍進を受けて注目されているこの話題。テレビやYouTubeなどで目にする方も多いのではないかと思います。

しかし、世に出ている情報のほとんどは主婦のパートや学生のアルバイトなどに関するものばかりで、フリーランスの場合についてはほとんど知る手段がありませんでした。そこで今回は僕なりに、(監修の先生にも助けていただきつつ)フリーランスと収入の壁について調べてまとめてみました。

リサーチしていく中で感じたのは「これは本当に分かりにくい制度だ」ということです。以前からこの収入の壁についてはある程度理解しているつもりでしたが、実際に言語化や図解などを交えて説明しようとすると、意外とちゃんと理解できていない要素があったり、理解できていてもわかりやすく伝えるのが非常に難しかったり……。当事者であっても、きちんと理解して対応するのは難しいと再認識しました。

しかも、これを書いている2024年11月下旬の時点では、まだ国民民主党と自民党が税制改正の協議をしている最中。103万円の壁が具体的にどこまで引き上げられるか分からない状況です。ただ、現時点での壁がどのようになっているかを理解しておかないと、改正後に何が変わったのか、それが自分にどのような影響を与えるのかを理解できません。該当する人(年間売上が100万円台くらいまでの方)は、制度を再確認するのが良いと感じました。

ただ、僕自身の思いとしては、扶養に入るために壁を越えないように気をつけるのではなく、一時的に損をしても壁を越えて行く方が良いと思っています。もちろん、制度に合わせて損をしない働き方をするのも正解のひとつです。しかし、損得勘定はひとまず置いて、好きな仕事を思いっきり頑張ってクライアントに全力で貢献し、継続的な依頼や高い報酬を得られるとしたら、それこそフリーランス冥利に尽きるのではないでしょうか。

そして、そういう気概を持って仕事に臨める人だけが、200万、300万……と売上を伸ばすことができ、気づけば103万の壁など一切気にならない高みにいけると思うのです。そこまでいけたら、きっとクライアントも家族も納税先(国)も、そして何より自分自身も、みんなが幸せになれると思うのです。

この「フリーランスと壁」に関しては引き続きウォッチして、また重要な変化があれば漫画にしていきたいと思います!

もし漫画で取り上げてほしいフリーランスのお悩みがありましたら、編集部僕のX(旧Twitter)にお寄せください。面白い質問がありましたら、漫画で回答いたします!

(漫画:高田ゲンキ 編集:じきるう 監修:伊沢成貴税理士事務所

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