フリーランスとは? 代表的な職種・仕事内容・独立の手続きや準備をすべて解説!

「そもそもフリーランスってどんな働き方なの?」
「フリーランスにはどんな仕事があるの?」
「フリーランスを目指す場合、どんな準備が必要なの?」

フリーランスを目指すとなったとき、まず何からしたらいいかわからない人は多いでしょう。

そこで今回は以下の流れに沿って、フリーランスに興味のある方が知りたい情報をまとめてご紹介します!

  • フリーランスの概要や特徴
  • フリーランスの職種例と仕事内容
  • フリーランスになる前に最低限押さえたいポイント
  • フリーランスになったあとやるべき手続きや準備
  • フリーランスの仕事の取り方やおすすめサービス

実際に筆者(フリーランス歴6年目)が駆け出しのころ悩んだ点、先に知りたかった点、試したかった点も考慮してまとめているので、ぜひ最後までお読みください。

フリーランスとは?|定義と個人事業主との違い

フリーランスとは、企業や団体に雇用されることなく、自らのスキルや専門性をもとに仕事を請け負う働き方です。契約形態は主に「業務委託」や「請負」で、報酬は仕事の成果に応じて支払われます。

プログラマーやライター、デザイナーなど専門職を中心に、近年では多様な分野に広がりを見せています。

フリーランスと個人事業主の違い

「フリーランス」と「個人事業主」は、しばしば混同されがちですが、実は少し異なる概念です。フリーランスはあくまで働き方や職業スタイルを指す言葉であり、法律上の定義はありません。一方、「個人事業主」は税務署に開業届を提出した人のことを指し、法律上の区分です

つまり、開業届を出していないフリーランスもいれば、出しているフリーランス(=個人事業主)もいます。詳細については、こちらの記事で解説しています。

また「フリーランスと会社員、結局どっちがいいの?」をテーマに討論をしてみたので、興味のある方はこちらもご参照ください。

業務委託・請負契約との関係性

フリーランスが仕事を受ける際の多くは、「業務委託契約」や「請負契約」がベースとなります。これらは雇用契約とは異なり、成果物の完成や一定の業務遂行を条件に報酬が支払われる契約形態です。

正社員のような労働法上の保護は受けられない一方、働く時間や場所、進め方に裁量があるのが特徴です。これにより自由度の高い働き方が可能となる反面、契約内容や納期、支払いトラブルに対する注意が必要です。

フリーランスの契約形態に関する詳細は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

またフリーランスと個人事業主の違いやメリット/デメリットに関しては、こちらの記事でさらに詳しく紹介しています。

フリーランスの需要

じつは、コロナ禍以前はフリーランスの数が減っていたというデータもあり、イメージと違って必ずしもフリーランスが急増しているわけではありませんでした。

しかし、以下の記事で分析しているように、2020年から2021年にかけて、フリーランス人口は約600万人ほど増えました。

1年で急増した背景には、やはりコロナ禍が関係していると思われます。リモートワークの環境整備が一気に進んだことも影響しているでしょう。コロナ禍の一時的な変化に終わる可能性もありますが、一度フリーランスを受け入れる体制ができたことは大きく、今後もフリーランスの需要が増加する可能性はあります。

また、2018年に制定された「働き方改革関連法」や「副業・兼業の促進に関するガイドライン」により、少しずつ働き方の多様化が起こっているという見方もあります。

フリーランスと他の働き方との違いは?

「フリーランスと他の働き方と、大きな違いは何?」と思われる方も多いでしょう。

こちらでは「会社員」「副業」「アルバイト」「派遣」「フリーター」それぞれの働き方と比較してみます。

会社員・副業・アルバイト・派遣・フリーターとの違い

フリーランスと他の雇用形態との大きな違いは、「雇用関係があるかどうか」です。

  • 会社員:雇用契約があり、社会保険などの福利厚生が受けられるが、働く場所や時間に制約がある
  • 副業:本業がありながら副収入を得る働き方。フリーランス的な業務を副業として行う人も多くいる
  • アルバイト・派遣・フリーター:企業と雇用関係にある点では会社員と同様。しかし雇用の安定性や業務の裁量は限られる

一方、フリーランスは雇用されない代わりに、自分で仕事を選び、収入を管理しなければなりません。自由と責任がセットになった働き方といえるでしょう。

株式会社を設立するケースも?

一定以上の収入が見込めるようになったフリーランスの中には、法人化して「株式会社」や「合同会社」を設立する人もいます。

法人化することで節税効果が期待できたり、クライアントからの信頼が高まりやすくなるなどのメリットがあります。とくにフリーランスとして業務が拡大し、取引先も多くなってきた場合には、法人化を検討することが選択肢のひとつとなるでしょう。

フリーランスの平均年収

フリーランスは働き方や職種が非常に幅広いため、平均年収を出すのが難しい側面もあります。明確に数値を出すことは難しいのですが、参考までにいくつかのデータを元に、年収の目安をご紹介します。

年収 出典データ
  • 副業ワーカー:62.3万円
  • 複業ワーカー:102.8万円
  • 専業フリーランス:297.5万円
ランサーズ
新・フリーランス実態調査 2021-2022年版
  • 本業フリーランス:256.1万円
リクルートワークス研究所
定点観測 日本の働き方
  • 年収200万円未満:22.5%
  • 年収200~400万円:22.5%
  • 年収400~600万円:19.9%
  • 年収600~800万円:11.6%
  • 年収800~1000万円:10.0%
  • 年収1000万円以上:11.8%
フリーランス協会
フリーランス白書2020
  • 年収100万円未満:16%
  • 年収100~200万円:16%
  • 年収200~300万円:19%
  • 年収300~400万円:16%
  • 年収400~500万円:12%
  • 年収500~600万円:8%
  • 年収600~700万円:4%
  • 年収700~800万円:3%
  • 年収800~900万円:3%
  • 年収900~1000万円:2%
  • 年収1000万円以上:4%
内閣府
フリーランス実態調査

調査方法や調査機関によって年収にバラつきはありますが、レンジとしてはおおむね「平均250~300万円程度」に落ち着くと考えていいでしょう。

国税庁が発表した「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、正社員の平均年収が「508万円」となっているため、平均年収だけで見ると会社員よりもフリーランスの方が少ないのも事実です。

ただ、フリーランスは良くも悪くも収入の幅が大きいため、会社員では難しい「20代で年収1000万」なども努力次第で達成可能なのはメリットでしょう。

お金の事情について詳しく知りたい方は、以下の調査結果をご一読ください!

フリーランスの職種例と仕事内容

「フリーランスが働き方を意味する言葉なのは分かったけど、具体的にどんな仕事があるの?」と思った方もいるのではないでしょうか。フリーランスの職種の例として、次の7つご紹介していきます!

  1. デザイナー
  2. エンジニア
  3. ライター/編集者
  4. マーケター
  5. コンサルタント
  6. 動画編集者
  7. オンライン秘書

【職種1】 デザイナー

デザイナーとは、デザインを作る仕事のことです。デザイナーと一口に言っても、以下のようにさまざまな職種があります。

▼ デザイナーの種類

  • Webデザイナー
  • イラストレーター
  • UI /UXデザイナー
  • グラフィックデザイナー
  • ゲームデザイナー
  • CGデザイナー

フリーランスデザイナーに必要なスキルや経験の例は、以下のとおりです。

  1. PhotoshopやIllustratorなどのツール系スキル
  2. トレンドや動向をキャッチアップするスキル
  3. クライアントから情報を引き出したり、デザインの意図を伝えたりするコミュニケーション能力
  4. スケジュール管理能力
  5. マーケティングスキル
  6. コーディングやプログラミングスキル

(参考:Workship MAGAZINE「フリーランスデザイナーになる方法。平均年収、案件獲得、ポートフォリオの作り方まで解説!」)

いきなりすべての経験が必要ではありませんが、複数のスキルがあると収入アップにもつながります。詳細については、以下をご一読ください!

【職種2】 エンジニア

エンジニアとは、エンジニアリングの専門的な知識やスキルを持つ人のことです。たとえばシステムエンジニアの場合は、システムを設計/開発できるスキルのあるエンジニアを指します。

フリーランスエンジニアの案件は3年以上の実務経験を求められることが多く、未経験だとハードルが高くなります。そのため、将来的にフリーランスエンジニアを目指す場合でも、一度会社員エンジニアとして経験を積むのがよいでしょう

フリーランスエンジニアの雇用形態には、月固定で収入の決まる「委任契約」と、成果物を納品することで報酬が支払われる「請負契約」などがあります。

フリーランスエンジニアのメリット/デメリットや向いている人について詳しく知りたい方は、以下をご一読ください!

【職種3】 ライター/編集者

ライター/編集者は、記事の執筆や編集などを進める職種です。

会社員時代に記事の執筆や編集経験があってフリーランスを目指す方もいれば、フリーランスとして新たにライターを目指す方もいます。

▼ キャリアを活かした例

  • 元エンジニア:テックライター
  • 元銀行員:マネー系ライター
  • 元保健師:保健師ライター

▼ 趣味を活かした例

  • アニメ好き:アニメライター
  • 整理収納が得意:片付けや掃除関連のライター
  • 子育て経験あり:育児ライター

ライターの仕事は多くの場合、記事単位で単価が決まるため、「単価 × 毎月書ける記事数」によって収入が決まります。

フリーランスライターに興味がある方は、以下の記事がおすすめです!

【職種4】 マーケター

マーケターは、商品やサービスを売るための戦略や仕組みを作る職種です。以下のような目的を達成するための戦略を練り、施策を打つことが求められます。

  • ブランド認知度を上げる
  • リードの最適化と利益の最大化
  • 新たなリード獲得手段を開拓する
  • ユーザーによる“シェア”を生み出す

(出典:Workship MAGAZINE 「マーケティングの目的とは? 達成のために有効な手段を考察」)

事業の課題解決に直結することも多く、求められるスキルや責任範囲も広いのが特徴です。そのため、未経験からいきなりフリーランスとして活動するのは難易度が高くなりがちです。

一度契約すると数ヵ月にわたって施策を進めることも多く、安定的な収入を見込めます。

【職種5】 コンサルタント

コンサルタントとは、企業の課題解決や事業拡大を支援する職種です。

企業の経営層の課題を解決に導くことなどもあり、高いスキルと実績が求められます。逆に言えば、実力や実績のあるコンサルタントがフリーランスとして独立をすると、1000万円超の高い年収も見込めるでしょう。

いきなり未経験からフリーランスコンサルタントを目指すのは難しいため、会社員としてコンサルタントの経験を積んでから独立を目指すのがおすすめです。

【職種6】 動画編集者

動画編集者とは、その名のとおり動画を編集する職種のこと。YouTubeやTikTokなどの動画コンテンツ編集の需要も高まっており、副業などから始める方も増えています。

また動画編集スキルがあると、フリーランスとして動画で情報発信する場合にも役立ちます。

近年は動画編集を1から学べるスクールも多くあるため、未経験から動画編集者を目指す道もゼロではありません。

【職種7】 オンライン秘書

オンライン秘書とは、オンライン上で秘書業務を行う職種のこと。オンライン秘書には、以下のような仕事があります。

▼ オンライン秘書の仕事の例

  1. 請求書や領収書などの書類作成/管理
  2. スケジュールやアポイントの調整/連絡
  3. 出張先の宿泊場所や交通ルートの手配
  4. 会食先のリサーチ/予約
  5. イベントやMTG等の時間調整/連絡
  6. タスクの進行管理/調整
  7. ディレクター業務
  8. オンラインコミュニティの運営/管理補佐

(参考:Workship MAGAZINE「オンライン秘書になるには?仕事内容とおすすめ求人サービスまとめ」)

「IT系の知識を活かしたい人」や「事務経験や簿記経験を活かしたい人」などにおすすめです。

オンライン秘書の具体的な仕事内容や、オンライン秘書を目指す方法などについては以下をご一読ください!

フリーランスになる前に最低限押さえたい7つのポイント

実を言うと筆者は、ほとんど事前準備をせずにフリーランスになりました。その結果フリーランスになってから色々調べて対応することなり、駆け出しフリーランスの頃は割と苦しかったです。

その経験を元に、フリーランスになる前に最低限押さえたいことを7つご紹介します。

  1. 会社員とフリーランスの違いを理解する
  2. 自分で案件を獲得する方法を調べる/試す
  3. 月々かかる支払いのイメージを把握する
  4. 審査が必要なクレジットカードの作成などを進めておく
  5. 開業届の提出方法について調べる
  6. 税金・年金・社会保険などお金周りの知識をつける
  7. フリーランスになったあとやるべき手続きや準備

ポイント1. 会社員とフリーランスの違いを理解する

1つ目は「会社員とフリーランスの違いを理解する」ことです。会社員とフリーランスでそれぞれ5年ずつ働いた筆者の経験を元に、メリット・デメリットをまとめてみました!

▼ フリーランスのメリット/デメリット

メリット
  • 自分で仕事の内容や働き方を選べる
  • 新たな仕事にも挑戦しやすい
  • 仕事をするほど収入が増える
  • 自分で成長方針を決められる
デメリット
  • 自分で営業しないと仕事がない
  • 1年目は支出が多く収入が伸びづらい
  • 自己管理や仕事量が収入に直結する
  • 目標管理などを自分で設定する必要がある

▼ 会社員のメリット/デメリット

メリット
  • 「仕事がない」といった悩みが少ない
  • 先輩や同僚などと仕事をしてスキルアップしやすい
  • チーム単位での仕事も多く、大きな仕事が受けやすい
  • 目標管理は会社の上司と相談しながら進められる
デメリット
  • 歩合制や残業を除き、収入にはある程度の上限がある
  • 会社で決められた働き方の枠を超えられない
  • 会社の事業に合わせた仕事がメインとなってしまう

特にフリーランス1年目は差し引かれる金額が多い(保険、年金、税金など)点と、営業方法のコツをつかまないと仕事がなかなか獲得できない可能性がある点に注意が必要です。

フリーランスになってからギャップに悩まされないように、メリット/デメリットを押さえておくことをおすすめします。

より詳しい比較は以下の記事をご覧ください。

ポイント2. 自分で案件を獲得する方法を調べる/試す

フリーランスになると、何らかの方法で案件を獲得する必要があります。筆者自身も、フリーランスになる前は「技術力がそれなりにあれば案件獲得はできるはず」と自信がありましたが、実際に始めてみるとそんなにうまくは進みませんでした。

「技術的なスキルがあること」と「実際に案件を獲得できること」は似ているようでまったく別物なので、注意が必要です。筆者と似たような失敗をしないように、事前に案件獲得方法について調べて試すことをおすすめします。

事前に調べて案件を受けられるようになれば、次のようなメリットがあります。

  • 世にどんな案件があるのかイメージできるようになる
  • 自分のスキルでどんな仕事を受けられるか体感できる
  • 案件を獲得するためのコツなどを事前に学べる
  • フリーランスになった時にも、案件獲得方法で収入を維持しやすい

「副業から始めて、安定的に案件をこなせるようになったらフリーランスになる」といった安定ルートも目指しやすいのでおすすめです!

なお案件の獲得方法については、以下の記事でも詳しくまとめています。具体的な仕事の探し方を知りたい方は、ぜひご一読ください。



ポイント3. 月々かかる支払いのイメージを把握する

会社員からフリーランスになる場合、1年目は収入から引かれる金額が多い点に注意が必要です。

筆者は「月に20万円ぐらい稼げれば何とか生きていけるよね?」と軽く考えてフリーランスになりましたが、保険、年金、税金などで差し引かれる金額を見て青ざめた経験があります(笑)。

フリーランス1年目に差し引かれる金額の目安などを知っていれば、それを見越して金銭的にも、気持ち的にも準備がしやすいのではないでしょうか。

手取りのシミュレーションなどをしたい方は、以下をご一読ください!

ポイント4. 審査が必要なクレジットカードの作成などを進めておく

フリーランスは会社員に比べて収入が不安定と思われやすく、社会的信用が低く見られがちです。そのため以下のように審査が必要なものは、会社員のうちに進めておくことがおすすめです。

▼ 事前に進めておくべきことの例3つ

  • クレジットカードの作成
  • 賃貸契約(引越しなどを考えている場合)
  • 住宅ローン(家の購入を考えている場合)

とはいえ、フリーランスが上記の審査に必ずしも落とされるというわけではありません。それでも不安な方は、以下記事をそれぞれ見ておくとイメージがしやすくなるのでおすすめです!

▼ フリーランスでも作れるクレジットカードについて

▼ フリーランス1年目の賃貸契約について

▼ フリーランスが住宅ローンを通すポイントについて

ポイント5. 審査が必要なクレジットカードの作成などを進めておく

フリーランスとして働くうえで、開業届の提出は避けて通れない重要なステップです。開業届とは、「個人で事業を始めました」と税務署に報告するための書類で、提出することで「個人事業主」として正式に認められます。

提出方法は意外とシンプルで、最寄りの税務署に直接持ち込むか、郵送、あるいは電子申請(e-Tax)でも対応可能です。開業届の提出にあわせて「青色申告承認申請書」も出しておくと、節税メリットが得られるため、あわせて確認しておくとよいでしょう。

詳しい提出手順や記入例については、以下の記事で詳しく解説しています。

ポイント6. 税金・年金・社会保険などお金周りの知識をつける

フリーランスになると、税金や年金、社会保険といった「お金周り」の手続きを自分でおこなう必要があります。

たとえば、確定申告では「所得税」や「消費税」を適切に申告・納付しなければなりません。年金は「国民年金」、健康保険は「国民健康保険」に加入することが一般的ですが、自治体ごとに保険料の算出方法が異なるため、事前の調査が欠かせません。

また税務処理の負担を軽減するには、クラウド会計ソフトの活用もおすすめです。仕訳や帳簿作成が簡単になるだけでなく、確定申告もスムーズに行えます。以下の記事では、初心者にもやさしいクラウド会計ソフトの選び方を紹介しています。

さらに、税金や社会保険の制度が複雑で不安な方は、社会保険労務士などの専門家に相談するのも一つの手です。以下の記事では、労務相談の活用方法や専門家に依頼するメリットを解説しています。

ポイント7. フリーランスになったあとやるべき手続きや準備

フリーランスになろうと思ったとき「具体的に何をすべき?」と悩む方も多いのではないでしょうか。

そこで、フリーランスになる前後に必要となる手続きや準備をまとめました!

1. 国民健康保険/組合保険への加入
会社で加入していた保険から切り替える手続きが必要です。退職日の翌日から14日以内に、お住まいの市区町村役場で手続きを行います。

2. 国民年金への加入
国民年金または、任意団体による組合保険への加入が必要です。年金手帳、退職証明書、国民年金被保険者資格取得届などが必要となります。

3. 開業届の提出
開業日から1ヶ月以内に税務署に提出が必要です。確定申告に備えて「青色申告承認申請書」も提出しておくのがおすすめです。

4. 許認可をクリアする
「許可」「届出」「登録」などが必要な業務を行う場合は、対応が必要です。タクシー業、飲食店、美容院など。

5. 創業融資の申請
資金調達などをする場合は、創業融資の申請を行います。事業計画書の作成などが必要になるので、事前に必要書類等を調べるのがおすすめです。

6. 補助金/助成金申請
認定支援機関に相談と、事業計画書の作成を事前に行います。申請を考えている場合、まずは申請する補助金を調べて説明を受けましょう。

7. 領収書の保管場所を作る
確定申告のために必要となる領収書の保管場所が必要です。2022年1月から「電子帳簿保存法」が改正されたため、電子データでの保管も可能となりました。

8. 屋号を決める
会社で言う「会社名」にあたるのが屋号です。必須ではありませんが、事業用の銀行口座を開設するときに必要となるため、作っておくのがベターです。

9. 事業に必要な名刺や印鑑をつくる
金融機関とやり取りがある場合や、対面での仕事が多い場合は名刺も作っておきましょう。

10. 事業用のクレジットカードや銀行口座をつくる
屋号があれば、事業用のクレジットカードや銀行口座が作れます。

フリーランスになったあとやるべき手続きや準備についてさらに詳しく知りたい方は、以下をご一読ください!

フリーランスの営業のコツ

いざフリーランスになった後、どのようなステップを踏んで仕事を取ればいいのでしょうか。まずは、以下の流れで進めることをおすすめします。

  1. 自分が持っているスキルを棚卸しする
  2. 営業方法ごとに実際に営業する
  3. クライアントの目に留まる提案文を磨き上げる

営業をするうえで鍵となるのが、自分が持っているスキルを棚卸しすることです。自分の強みや弱み、経験、実績などを整理することで、どんな仕事を受けられそうかイメージしやすくなります。

整理ができたら、実際に営業してみましょう。具体的な営業術については「【連載】6人の先輩に聞いた、フリーランスの営業術」にてケーススタディとともに解説しています。

また営業するときは、魅力的な提案文がつくれることも重要です。提案文では、以下の点を押さえた文章を作りましょう。

▼提案文をつくる上で押さえておきたいポイント

  1. 自分がどんな人でなぜ案件に応募したのか伝える
  2. 募集している案件に近い実績があれば厳選して伝える
  3. 募集していた案件にどのような形で貢献できるか伝える

「具体的な提案文の例が知りたい……」という方は、フリーライターの少年Bさんの次の記事が参考となります。

上記はライターが営業するときの例ですが、本質は同じです。自分の仕事に置き換えて読むと、考えやすいのではないでしょうか。

フリーランスの仕事の取り方・おすすめサービス

上記で「整理ができたら、実際に営業してみましょう」と書きました。フリーランスが仕事を取るための営業方法については、主に以下があります。

  1. クラウドソーシングサービスを使う
  2. エージェント・マッチングサービスを使う
  3. 企業公式サイトから直接メールを送る
  4. 知り合いのツテをたどる
  5. SNSを利用する

フリーランスになりたての時期に挑戦しやすいのは、クラウドソーシングサービスを使う方法でしょう。『ランサーズ』や『クラウドワークス』といったサービスが代表的です。

クラウドソーソングサービスで経験を積んだ後、あるいはすでに実務経験が豊富にあれば、フリーランスエージェントやマッチングサービスの利用も効果的です。

とくに、ある程度の実務経験があり、高単価の案件を獲得したければ、フリーランス向けマッチングサービス『Workship』の利用がおすすめです。

公開案件の80%以上がリモートOKと働く場所を選ばず、エンジニア、デザイナー、マーケター、ディレクター、編集者、ライター、セールス、人事広報など、さまざまな職種の案件が紹介されています。

さらに、トラブル相談窓口や会員制優待サービスの無料付帯など、安心して働ける仕組みがあるのも嬉しいポイント。時給1,500円〜10,000円の高単価な案件のみ掲載しているため、手厚いサポートを受けながら、良質な案件を受けたい方におすすめです。

おすすめのクラウドシーシング、フリーランスエージェントサービスについては、以下の記事もご参照ください。

フリーランスの請求書のつくり方

会社員と違い、フリーランスは請求書も自分で発行する必要があります。インターネットで検索すればテンプレートが配布されていますし、必要項目を入力するだけで請求書をつくれるサービスもありますので、活用しましょう。

請求書を作成/管理できるサービスのヘルプページは充実していますので、分からないことがあれば問い合わせすることも可能です。

詳細については、以下をご一読ください!

フリーランスの確定申告のやり方

「確定申告」と聞くと難しそうに感じたり、不安に思ったりする人もいるかもしれません。

筆者もフリーランスになる前は不安が頭をよぎりましたが、ご安心ください。確定申告の方法が分からない方に向けて、いくつもの手助けが用意されています。

▼ 確定申告をスムーズに進める手助けの例

  1. 各地の税務署で相談ができる「確定申告相談会」
  2. クラウド会計ソフト主催の「確定申告に関するオンラインセミナー」
  3. 税理士への「確定申告の相談や依頼」

ちなみに筆者はクラウド会計ソフトの『freee会計』を利用しており、駆け出しフリーランスの頃はオンラインセミナーを見てから確定申告をしていました。

ツールの使い方や、ツール上でどうやって入力すべきかなどを事細かに補足してくれるので大変ありがたかったです。

また収入や支出の登録がしやすいこともあり、帳簿付けなどが不安な方はクラウド会計ソフトの利用をおすすめします。

確定申告について、よりわかりやすく知りたい方は、以下の記事をご覧ください!

フリーランスが年収を上げる方法

フリーランスの年収を上げるためには、まず実績をつくり、少しずつ高単価な案件をこなせるように力をつける必要があります。具体的には、以下のような方法で年収を上げていくといいでしょう。

  • スキルを磨き、実務経験を積む
  • 専門性を高め、ニッチな分野や需要の高い分野に特化する
  • 自分の強みや価値を上手にブランディングする
  • 人脈を形成し、営業せずに仕事がもらえる環境をつくる
  • しっかり報酬を払ってくれるクライアントを選ぶ
  • 仕事を効率化し、実質的な時給を上げる

方法1. スキルを磨き、実務経験を積む

まずは、業務の基本となる基礎的なスキルがないと始まりません。スキルを磨き、実務経験を積むことは、フリーランスとして年収を上げるための重要な要素です。

スキルが高いほど、クライアントからの信頼や評価が高まり、より高額な案件に応募できるようになります。また、実務経験が豊富であれば、さまざまな業界や分野に対応できる柔軟性や幅広い知識を身につけることができます。

スキルを磨き、実務経験を積むためには、常に学び続ける姿勢や挑戦する意欲が必要です。書籍やネットの情報で学ぶことはもちろん、手を動かして業務の中で学びを得ていくことも大切です。

スキルアップの方法については、以下の記事をご覧ください!

方法2. 専門性を高め、ニッチな分野や需要の高い分野に特化する

フリーランスとして年収を上げる効率的な方法は、専門性を高め、需要の高い分野やニッチな分野に特化することです。

たとえば、ITやAIなどの技術関連の分野に特化することで、安定した仕事量を確保できますし、成長性のある市場で活躍できます。

一方、ニッチな分野とは、それほどメジャーではないものの、一定の需要がある分野のことです。たとえば、「医療系に強いWebデザイナー」「金融システムに強いエンジニア」など、特定の業界や業種に関する知識や経験が必要な分野や、特殊な技術や資格が必要な分野などが該当します。

ニッチな分野に特化することで、競合が少なくなりますし、高い報酬を得られる可能性も高まります。

方法3. 自分の強みや価値を上手にブランディングする

フリーランスは、ただ強みを持っていればいいわけではありません。その強みがクライアントに伝わるよう、自分の強みや価値を上手にブランディングすることは欠かせないスキルです。

具体的には、自分が何が得意で、どんな問題を解決できるのか、どんな価値を提供できるのか、などを具体的に考えてみましょう。次に、自分のターゲットとなるお客様を絞り込むことが必要です。自分のサービスや商品が誰にとって必要で、誰にとって価値があるのか、どんなニーズや悩みを持っているのか、などを詳しく調べてみましょう。

そして最後に、自分の強みや価値をクライアントに伝える方法を考えることが重要です。自分のポートフォリオやSNSなどにどんな情報を載せれば、どんな風にクライアントが解釈するか。この点を意識しながらセルフブランディングを行っていきましょう。

方法4. 人脈を形成し、営業せずに仕事がもらえる環境をつくる

フリーランスの辛い点として、営業をしている時間は報酬がもらえません。営業時間を減らすためには、営業無しでも仕事をくれる人脈を形成することが重要です。

しかし、人脈を作るといっても、ただ多くの人と知り合うだけでは意味がありません。自分の専門性や信頼性をアピールできるように、名刺やブログ、SNSなどのツールを活用しましょう。

また、既存のクライアントや同業者からの紹介や口コミも大切な人脈形成の手段です。営業力や交渉力を磨くことも必要ですが、まずは目の前の仕事で成果を出し、クライアントからの信頼を高めることも長期的な人脈づくりにつながります。

方法5. しっかり報酬を払ってくれるクライアントを選ぶ

フリーランスとして働く場合、自分の価値を正しく評価してもらい、適正な報酬を得ることが重要です。しかし、クライアントによっては、不当に安く仕事をさせようとしたり、納期や内容をこちらに不利に変更したりすることがあります。そうしたクライアントとは、できるだけ関わらないようにしましょう。

また、年収アップ術として「単価交渉をする」という話はよくされますが、どれだけ良いパフォーマンスを発揮してもクライアントには予算の都合があり、単価が劇的に上がることは少ないです。そのため、単価を上げたければ「予算があるクライアント」と最初から仕事をすることが重要になります。

方法6. 仕事を効率化し、実質的な時給を上げる

フリーランスの時間は有限なため、年収を上げるために仕事を効率化するのは重要です。

仕事の品質やスピードを向上させるためには、常に最新のツールや技術を学び、自分のスキルを磨くことが大切です。たとえば、AIなどを活用した業務効率化など、最新のトレンドを取り入れることでより多くの仕事を受けられるようになるかもしれません。

また、仕事以外の経理や事務などは、できるだけ外部に委託することも選択肢です。たとえば、確定申告は税理士に、営業はフリーランスエージェントに依頼することで、自分の時間を節約できます。

フリーランスに向いている人の特徴

フリーランスは、自分の裁量で働き方を決められる一方で、すべての責任も自身にのしかかるスタイルです。向いている人の特徴としては、以下のような資質が挙げられます。

  • 自己管理能力が高い:スケジュール、収支、体調などを自ら管理できる
  • コミュニケーション力がある:営業・交渉・報告など、対人スキルが重要
  • 継続的な学習意欲がある:変化の激しい時代において、常にアップデートが必要
  • 失敗や孤独に耐えられる:トラブルも孤独も自力で乗り越えるタフさが求められる

とはいえ、必ずしも向いている人だけがフリーランスになるかというとそうではありません。適切な事前準備をして、努力すればフリーランスを目指すことは十分に可能なのでご安心ください。

フリーランスに関する信頼性の高い情報源

フリーランスにとって、より多くの「信頼性の高い情報源」を確保しておくことは大切です。

以下では、厚生労働省の方針やフリーランス新法について解説するとともに、万一トラブルが発生した場合の対応策について提示します。

厚生労働省の方針とフリーランス新法とは?

近年、フリーランス人口の増加に伴い、国も制度整備を進めています。とくに注目されているのが「フリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)」です。

この法律では、業務委託契約の明文化や、報酬支払いの遅延防止、ハラスメントの防止策などが規定されており、フリーランスが不利な立場に置かれないよう保護する目的があります。詳しい情報は、厚生労働省の公式サイトや関連資料を参照するとよいでしょう。

▼フリーランス新法について(要約版)


▼フリーランス新法について(詳細解説版)

よくあるトラブル事例と対応策

フリーランスに多いトラブルとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 契約書がないまま仕事を始めてしまい、報酬未払いになる
  • 業務範囲が曖昧なまま追加対応を求められる
  • ハラスメントや不適切な要求を受ける

これらを未然に防ぐには、「契約書を交わす」「業務範囲と報酬を明確にする」「記録を残す」といった基本を徹底することが大切です。トラブルに遭った場合は、フリーランス協会や各地の労働相談窓口への相談も選択肢となります。

よくある質問(FAQ)

Q. フリーランスってどんな働き方?

A. フリーランスとは、企業などに雇用されず、仕事ごとに契約を結び報酬を得る働き方です。

時間や場所に縛られにくく、自由度が高い一方で、営業・交渉・経理などをすべて自分でおこなう必要があります。

Q. 結局フリーランスになるには何が大事?

A. 「スキル」と「信用」がもっとも大切です

専門分野で通用する実力に加え、納期を守る、丁寧に対応するなどの信頼構築が仕事を継続させる鍵になります。また、開業届の提出や確定申告などの知識も必要不可欠です。

Q. フリーランスの収入はどれくらいで安定する?

A. 個人差はありますが、安定するまでに1〜2年かかるケースが多いです。

最初は副業から始めたり、生活費を抑えるなどしてリスクヘッジする人も。営業努力や継続的な実績構築が安定化への近道です。

Q. フリーランスだと住宅ローンや賃貸契約に不利?

A. 一般的には会社員よりも審査が厳しくなる傾向があります。

とはいえ、一定の収入や納税実績、契約書の提示があれば通るケースも増えており、信頼性を示す資料の準備が鍵になります。

Q. トラブルにはどう対応するべき?

A. トラブルが発生したときは、まず契約内容を確認し、記録をもとに冷静に対応しましょう。

場合によっては、フリーランス協会や弁護士への相談を検討するのも有効です。何よりも「契約書を交わす」ことが、最大の予防策となります。

まとめ

今回は、以下の流れでに沿って、フリーランスとして働く場合のポイントについてまとめました。

  • フリーランスの概要や特徴
  • フリーランスの職種例と仕事内容
  • フリーランスになる前に最低限押さえたいポイント
  • フリーランスになったあとやるべき手続きや準備
  • フリーランスの仕事の取り方やおすすめサービス

筆者はこれといった準備をせずフリーランスになったため、「もっと早く知りたかった……」と悩む場面が多かったです。

私自身、働き方の選択肢の一つとして、フリーランスは最高だと思っています。今回の記事を読むことで、フリーランスという働き方に関して悩む人が1人でも減れば嬉しいです。

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(執筆:しろ 編集:mozuku)

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