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フリーランスを目指すための「ファーストキャリア」の選び方

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こんにちは、フリーライターのゆぴです。2019年に会社を辞めて独立し、現在はフリーランスとして働いています。

学生のなかには、「卒業したらフリーランスになりたい」と考えている方もいるかと思います。実際にわたしも、大学生の方からご相談いただくことが何度もありました。

しかし! 個人的には「最初からフリーランスになるの、もったいなさすぎない?」とも思うのです。なぜならこう見えてわたしは3年ほど会社員をやっていたし、当時の経験が今にバリバリ活きているからです。

では、最終的にフリーランスになりたい場合、ファーストキャリアはどう選べばいいのか。今回は、わたしの見解をお話しします。

いしかわゆき(ゆぴ)
いしかわゆき(ゆぴ)

ゆるふわマインドを届けるライター・作家。遅刻・記憶喪失・破壊が日常のADHD。生きづらい世の中をいい感じに泳ぎたい。自著『書く習慣』『聞く習慣』『ポンコツなわたしで、生きていく。』(X:@milkprincess17

「新卒フリーランス」ってどうなの?

結論から言うと、オススメしません!

わたしはさまざまな会社の社長さんに「自分がもし30歳に戻ってフリーランスになったらどうするか」を聞く、「もしも社長がフリーランスになったら」という連載を持っているのですが、全員が声を揃えて「会社でしっかり学んでから独立しろ」と言っていたのが印象的でした。

……そう。フリーランスに必要なのは「会社員力」なんです。

会社員として働くことで、得られるものはたくさんあります。ビジネス上でのコミュニケーション能力や、業務推進能力、それぞれの実務で培えるスキルなど。「圧倒的なスキルがあったとしても、何だか仕事がしづらい人」というのは、おそらくこの「会社員力」が足りていないのだと思います。

たとえば、わたしは新卒で入社したばかりのとき、猫柄のスカートを履いて営業に行って怒られたり、先輩にタメ口を聞いて怒られたり、タスクの優先順位を間違えて怒られたりと、怒られてばかりでした。

でも、新卒フリーランスには、誰も怒ってくれません。

会社員として部下を教育するのは仕事のひとつでもあります。一方で外注先のフリーランスを教育する必要はないため、何かやらかしたとしても、「あ、じゃあもう次から頼まないです」と発注を止めるだけです。

わたしも、これまで仕事をするなかで「この人、仕事やりづらいな……」と思っても、実際に何か言ったことはあまりないです。だって注意するって労力のいることだし、そこまでする義理はないから。

同様に、おそらくわたしもフリーランスになってからは、注意されるべきことをスルーされていることもあるかと思います。成長するためには、失敗して→注意されて→改善する……というある種の「痛み」が必要だと思うのですが、フリーランスにはその機会がありません。

それも踏まえて、新卒でフリーランスになった人は、とても苦労されている印象があります。注意してくれる人も、教えてくれる人もいない。失敗できる場所もない。スキルを独学で身につけなければならない。

フリーランスには、いつでも誰でもなれます。ただ、続けるのはとても難しい。裏を返せば、ちゃんとした会社員スキルがあれば、あまり苦労せずにフリーランスができると思います。

やりたいことがない場合 : 大企業でネームバリューと総合的なスキルを得る

では、フリーランスになりたい人は、ファーストキャリアにどんな会社を選べばいいのでしょうか?

まず、わたしは、「ぬいぐるみの営業→広告代理店→メディア編集部→ライター」という謎のキャリアを歩んできたので、ぶっちゃけてしまうと、「どう転んでも何とでもなる(すべては自分次第)」と最初にお伝えしておきます。

実際にまわりのライターを見てみても、「保険営業→編集プロダクション→ライター」「パティシエ→ライター」「葬儀屋→ライター」など、さまざまなバックグラウンドを持つ方たちがフリーランスとして働いています。

もちろん、どんなキャリアを歩んでも無駄になることはないとは思います。でも、もし明確な「やりたいこと」がないのなら、新卒で大企業へ行くのが最適解なんじゃないかと思っています。

というのも、よほどのことがない限り、大企業には新卒しか入れないからです。

大きな会社では、個人では絶対に携われないような仕事ができるし、福利厚生もしっかりしているので、会社員力を身につけながら安定して働きつつ、空いた時間の副業でフリーランスっぽい動きもできる。言うなれば最高の環境なんですよね。

さらに、大企業に就職すれば、いつか「やりたいこと」が生まれたときにネームバリューを使って転職しやすく、フリーランスになっても「信頼」につながるメリットも生まれます。

極端ですが、無名の会社よりは「Googleにいました!」という人のほうが転職市場においても有利です。ベンチャーから大企業に行くのは難しいですが、大企業からベンチャーに行くのはそこまで難しくないはずなので、転職する際もあまり苦労しないと思います。

なので、明確な「やりたいこと」がないのなら、大企業でビジネスパーソンとしての基礎力とネームバリューをつけ、独立するのがもっとも盤石なステップだと思います。

やりたいことがある場合 : ベンチャーでスピーディにスキルをつける

一方、今すぐやりたいことがあるなら、「確実に欲しいスキルが身につけられそう」で「興味のある事業をやっている」ベンチャー企業を選ぶのがオススメです。

企業にもよりますが、設立間もないベンチャーは、人手が足りなかったり、仕事内容がまだ整備されていないことが多いので、1年目からハードルの高い仕事を任せてもらえ、メキメキと成長できると思います。

ベンチャーにいる人って本当にあっという間に成長して、あっという間に独立するんですよね……。内定者や新卒でありながら、早々にいち社員としてクライアントとお仕事したり、企画提案していたりと、少数精鋭だからこそ求められるレベルがとても高いです。

わたしはベンチャーにいたころ、未経験ながらクリエイティブディレクターの仕事を任され、3ヶ月ほどで独り立ちすることになり、「こ、これがベンチャーか!」とスピード感の速さにびっくりしたことがあります。

ものすごく忙しかったけれど、あの1年間で築いたものが、わたしのビジネスパーソンとしての礎になったと感じています。それほどに目まぐるしい毎日でした。圧倒的成長した。

また、「ライターとしていつか独立したいな」と感じたときに、メディア事業に異動させてもらったことで、伸ばしたいスキルをピンポイントで磨くことができました。

大企業と比べて、ベンチャーのほうがやりたいことの希望が通りやすいイメージなので、面接でアピールするといいと思います。

世の中にはさまざまなベンチャーがあると思うので、ぜひチェックしてみてください。推しサービスや商品から探すのも良し。学生ならば、インターンやアルバイトとして潜入してみるのもオススメです!

補足:大企業とベンチャーのいいとこ取りの「メガベンチャー」という選択肢も

目まぐるしい環境変化のなかで、スピーディーにスキルが身に付くメガベンチャーもオススメ。大企業のような知名度や事業規模と、ベンチャーらしい成長速度や裁量を両立できるのが良いところです。

わたしのまわりのシゴデキフリーランスはメガベンチャー出身の人が多いのですが、メガベンチャーのなかには「将来的に何かやりたい」という起業家思考の人が、事業に携わるなかで取り組みたい事業を見つけて独立するパターンが多いそう。

また、大企業はもちろん、名だたるベンチャーに所属していた過去があるだけでも、フリーランスとして箔が付きます。

わたしも所属していたのがメガベンチャーだったので、フリーランス駆け出しのころでも経歴を話すだけで信用してもらえたし、「◯◯にいたのなら安心して任せられます」と言われていました。

まとめ : ファーストキャリアの最適解はないけれど

とはいえ、いくら熟考したところで、「ファーストキャリアの最適解」を見つけるのは難しいと思うんですよね。会社って入ってみないとわからないし、やっていることは好きだけど、会社の文化が合わないこともある。

最初はやりたいことができていたとしても、人事異動は自分の力でコントロールができないので、全然違うことをやらなくちゃいけないこともあるかと思います。

わたしもメディア編集部に異動してからは、最初は記事を書いていましたが、方針変更に伴い、編集にまわっていた時期もありました。

当たり前だけど、会社にとって利益に繋がらないサービスはなくなってしまうし、どんなに自分がやりたくてもできないこともあります。

だから、仮に思っていたキャリアと違ったとしても、いくらでも修正していけばいいと思います。大企業に入れなくても別に死ぬわけじゃないので大丈夫! わたしのファーストキャリアは100人規模の小さな会社の「ぬいぐるみの営業」でしたが、別にフリーランスとして元気に生きてますからね。

今回語ったことは、あくまで「フリーランスとしての選択肢が広がりそうな道」のひとつとして、参考にしてもらえればと思います。

(執筆&イラスト:ゆぴ 編集:少年B)

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